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ロンサムカーボーイからカロッツェリアへ

不動の人気を誇るパイオニアのカーAVブランド、『カロッツェリア』は、今年で誕生40年となりました。6月には40周年記念モデルとなる『サイバーナビ・リミテッドエディション』もデビューしています。

そこで今回は前後編に分けて、カロッツェリアの40年歩みをたどっていきたいと思います。


カロッツェリアの初代モデルとなるCDX-2/KEX-900。    パイオニア

カロッツェリアが生まれたのは1986年のこと。それまで約9年に渡って親しまれてきた『ロンサムカーボーイ』を引き継ぐカーオーディオブランドとして設定されました。

初代モデルとなったのはCDX-2(CDプレーヤー)とKEX-900(チューナーコントロール・グラフィックイコライザー)で、『ハイクオリティ・カーオーディオライフ/コミュニケーションカーライフ/ビジュアルカーライフ 先進のカーコンポーネントを提案する』というコンセプトが掲げられていました。

この、カーオーディオ、コミュニケーション、ビジュアルを3本の柱としている点は、現在でも変わりません。

カロッツェリア立ち上げの際にメインとなっていたのは、コンポタイプのカーオーディオです。

ホームオーディオ同様、プレーヤー、チューナー、アンプなどいくつかのユニットをニーズに合わせて組み合わせるもので、ルックスもシルバーボディに多くのボタンが組み込まれ、イルミが踊る、近未来的を感じさせるものでした。

もちろんこれは当時の若者にとっては時代の最先端、そして憧れでした。

世界初の市販GPSカーナビが誕生

それから4年後の1990年。革命的な1台のモデルが生まれます。市販世界初のGPSカーナビ『AVIC-1』です。

当時はサテライトクルージングシステムと名付けられ、画面上に現在地がリアルタイムに表示されるというだけでも驚きでした。


世界初の市販GPSカーナビ、AVIC-1のシステム。    パイオニア

とはいえシステムを揃えれば50万円を超えるというだけに、一般には高根の花。あくまでイメージリーダーという存在です。

カーナビは着実に進化

1992年には2世代目となるGPSカーナビ、『AVIC-G10』がリリースされます。
これはソフト(CD-ROM)を交換することで機能面のバージョンアップも図れるというところが売りで、本体は6枚の地図ディスクを収納できるCDチェンジャー方式を採用していました。

このあたりから徐々にカーナビ熱は高まっていき、1996年にはVICSサービスが開始。国内の電機メーカーがこぞって参入し、カー用品店には数十社のカーナビがずらりと並ぶ状況になりました。


2世代目となるGPSカーナビ、AVIC-G10。    パイオニア

ハイエンドカーオーディオのカロッツェリアX

1990年代前半、カーオーディオは業界全体でコンポからワンボディへと軸足が移ってきましたが、効率化よりもサウンドクオリティを高めたいというニーズ多くあり、徹底した高音質を追求するハイエンドカーオーディオブランドとして1993年に『カロッツェリアX(エックス)』が立ち上がります。

その後、カロッツェリアと並行してカーオーディオプロショップを中心に20年以上にわたって展開され、マニアからゆるぎない支持を集めました。


ハイエンドカーオーディオ・カロッツェリアXの初代モデルとなるRS-K1x。    パイオニア

この中で得られた技術やノウハウは、サイバーナビなど最新の製品にも生きています。

新メディアのMDにも対応

90年代、オーディオのメディアはカセットテープからCDへと移行していきましたが、カセットテープのように編集ができて音質も良いMDが台頭。1997年にはカロッツェリア初のMD対応モデル『FH-P900MD』がデビューします。

2DINの大型ボディにカラフルなイルミ、業界最大出力のパワーアンプ、マイクで音響を自動補正するオートイコライザーなどを備え、話題をさらいました。


MDとCDの両方が楽しめる2DINサイズモデル、FH-P900MD。    パイオニア

ナビのDVD化とともに初代サイバーナビが誕生

また、同年には、現在でもハイエンドカーナビとして高い人気を誇る『サイバーナビ』が、世界初のDVDナビとして誕生。大容量データに加え、2D+3Dマップのナイアガラビュー、8型大画面モニターなど今までにないさまざまな機能を実現し、クルマ好きをワクワクさせる先進性にあふれる内容となっていました。

サイバーナビのこのキャラクターは現在でも引き継がれています。


サイバーナビの初代モデルであるAVIC-D909と専用8型モニターのTV-W808。    パイオニア

買いやすく扱いやすい新シリーズ

1998年には、カロッツェリアのもうひとつの人気カーナビブランド『楽ナビ』が登場。

この当時、各社のカーナビは高性能化を進めており、機能が複雑で操作も難しくなっていました。そこで楽ナビでは『楽に使えて楽に買える』ことを重視した、コスパに優れるシンプルな操作感のカーナビとして開発されたのです。


初代楽ナビのAVIC-500。メディアにはCD-ROMを使用していた。

    パイオニア

初代機のAVIC-500は業界初のボイスコントロールを搭載し、誰でも簡単に扱えることを重視。しかし一方で、旧式のモニターや大型の本体、CD-ROMメディアなどコストを抑えるための割り切りも見られました。

デジタル世代に合わせてスピーカーを高音質化

カーオーディオでは、同じく1998年にデジタル時代の高音質再生を目指したVシリーズスピーカー(TS-V017A)、2002年にはDVDなど新メディアに対応したRSシリーズスピーカー(TS-T1RS/M1RS/W1RS)がラインナップ。


手軽に高音質が楽しめる新世代モデルとして登場したVシリーズスピーカー。    パイオニア

カーナビだけに偏ることなく、カーオーディオについても時代に合わせたモデルをリリースし続けました。


DVDなど新しい高音質メディアに対応するべく開発されたRSシリーズスピーカー。    パイオニア

カーナビはDVDからHDDの時代へ

21世紀となった2001年、新たなサイバーナビはメディアをDVDからHDDへとチェンジします。

『AVIC-H09/V07MD』は大容量かつ読み書きが可能なHDDの特徴を生かし、CDを再生するだけでHDDに自動録音を行うミュージックサーバー機能を搭載。大量のお気に入り曲をエンドレス再生する新たな楽しみ方を提案しました。


サイバーナビはライバルに先駆けてHDD化。このときに容量は10GB。    パイオニア

20年以上も前に通信ナビをリリース

そして翌2002年、カロッツェリアはHDDのサイバーナビ、DVDの楽ナビを展開しているにもかかわらず、時代の先を見据えて第3のカーナビ『エアーナビ(AVIC-T1)』をリリースします。

本体に通信モジュールを内蔵した世界初のカーナビで、特徴は古くならないこと。地図データや渋滞情報、天気予報、各種のドライブ情報を利用するたびにダウンロード(一部地図データは内蔵)して使用する、今までにない画期的なスタイルでした。


世界で初めて通信モジュールを内蔵したエアーナビ。    パイオニア

しかし通信圏外ではほぼ機能しなくなることや、通信費を負担する特殊な料金体系に抵抗のある人が多かったことなどから、数年でサービスは終了しました。生まれた時代がちょっと早かったようです。

カロッツェリア40年の歴史・前編いかがだったでしょうか? 続く後編についてはまた一ヵ月後、こちらの連載をチェックしてくださいね。