メッシ「もう力が残っていない」…「代表引退」決断の決定的なきっかけは
「すべてを捧げた。もうこれ以上出せる力が残っていない」
サッカー史上最高の選手(GOAT)、リオネル・メッシ(39)が代表引退を宣言した。
メッシは8月31日(現地時間)、自身のSNSを通じて「〔北中米ワールドカップ(W杯)〕決勝が終わってある程度時間が経った今、深く悩んだ末に引退をお知らせしたいと思う。心の奥底では今も胸が痛む決断だが、もうその時が来たことはよく分かっている」と明らかにした。
メッシは「我々がすべてを成し遂げたここ数年だけでなく、それ以前も常にすべてを捧げてきたと誓う。喜びを届け、サッカーを通じてアルゼンチン人であることを誇りに感じてもらえるよう、いつも戦い、このユニホームのためにすべてを注ぎ込んだ」と記した。続けて「代表チームを愛してきたし、これからも永遠に愛する。自分が持っていたすべてを注ぎ込み、もうこれ以上出せる力が残っていない。そのうえ、私の後ろには資格のある非常に才能豊かな若い選手たちが台頭してきている」と付け加えた。
時間は誰にとっても例外なく流れる。1985年生まれの39歳、メッシの代表引退も予想された流れだった。ただ、最近経験した2つの出来事が決断を少し早めただけだ。
一つは、わずか6週間前に行われた北中米W杯決勝だった。8得点4アシストを記録して祖国を再び決勝に導いたが、スペインに完敗したうえ、試合終盤は乱闘で幕を閉じた。敗戦直後に流したメッシの涙は、これ以上長く苦しい道のりを繰り返すことはできないというサインであると同時に、代表でのキャリアが終わりに向かっていることを直感させた。
もう一つは先月初めに伝えられた父ホルヘ・メッシ氏の死去だった。長年、代理人であり最も心強い助力者だった父の不在は、非常に大きな喪失感となって迫った。メッシは父の死去直後、「父なしで何をすべきか、どう進んでいけばいいのか分からない。サッカーをもっと長く続けられるのか疑問に思う」と打ち明けた。
こうして選手生活で最もつらかったであろう数週間を過ごしたメッシは、W杯決勝のわずか2日後の7月21日に作成していた引退声明の草案を公開し、父の死去が決断を固める決定的なきっかけだったことを伝えた。
メッシが声明で明らかにしたように、代表での道のりは美しくも険しかった。メッシの代表でのキャリアは、サッカーの前半と後半のようにくっきりと分かれた。
メッシは2016年、コパ・アメリカ決勝で敗れた後、代表からの暫定引退を宣言したことがある。2005年にAマッチデビューしたメッシは、2014年・2015年・2016年と3大会連続でメジャー大会優勝を目前にして苦杯をなめた。
所属チームのFCバルセロナで見せた圧倒的な実力を代表チームでは発揮できないとの批判とともに、1986年W杯優勝を成し遂げたディエゴ・マラドーナとの絶え間ない比較に苦しんだ。
しかし、大統領とファンの切実な引き止めを受けて復帰したメッシは、2021年にコパ・アメリカ優勝を成し遂げた。それでも、メッシのトロフィーケースを埋められずにいたW杯トロフィーは、サッカーのGOAT論争における唯一の障害として残っていた。
2022年カタールW杯はメッシのキャリアのハイライトだった。フランスとの決勝で決めた2点目は、最も美しいゴールではなかったかもしれないが、祖国への愛と切実さ、壮絶な献身が凝縮された得点だった。メッシがAマッチ207試合で記録した125得点の中でも、群を抜いた最高のゴールに挙げられる。
最後のパズルを完成させたにもかかわらず、メッシは北中米W杯に出場し、1カ月間、我々にもう一度忘れられない瞬間を届けてくれた。エジプトとの決勝トーナメント1回戦で見せた大逆転劇は、文字通り奇跡だった。ピッチをジョギングでもするように歩き回っていたが、持ち前の爆発力は健在だった。メッシは35歳以降、W杯で15得点も挙げた。
スペインとの決勝は、メッシがアルゼンチンのユニホームを着てプレーした最後の試合となった。奇しくも10年前、メッシが引退を宣言したあのスタジアムだった。
13歳で故郷ロサリオを離れてバルセロナに向かい、アルゼンチン人よりカタルーニャ人に近いと呼ばれた少年は、アルゼンチンサッカー史上最も偉大なリーダーとしてピリオドを打った。身長169センチの「小さな巨人」メッシが我々に届けてくれた物語は、一編の偉大な大叙事詩だった。
メッシは「チームメイトとともに、夢見ることしかできなかった瞬間を皆さんに届けられたという安堵感と誇りを持って去る。愛している。私をアルゼンチン人として生まれさせてくださった神に感謝する」と別れの言葉を締めくくった。2028年末まで米国のインテル・マイアミとの契約が残っているが、これ以上試合を楽しめない、またはチームメイトを助けられないと判断すれば、それ以前に現役を退く可能性もある。
あるファンはメッシにこのような賛辞を残した。「最も詩的なキャリアが終わりを迎えました。神が自ら書いた本物の童話のようで、時には一本の映画のようでした。決勝で敗れた後に引退を宣言しながら再び戻り、すべてを勝ち取ったあの時代。あなたのお父さんが亡くなった時、この日がこれまでになく近づいたことを直感しました。どうかサッカーそのものを完全にやめないでください。それだけはまだ受け入れる準備ができていません」

