P8305057

写真拡大 (全6枚)

実効支配ってこういうことなんでしょうね!

日曜日は埼玉西武ライオンズ栗山巧さんの引退神試合を観戦しまして、大変感動しました。奇跡のような美しさ、心に残る試合でした。が、その試合の裏で延々と展開され、当日を経てなおいっそう燻りつづけている問題があることをご存じでしょうか。「ビジ外侵入」問題です。(※最初に言っておきますが、この単語でハイハイとなる方の99%くらいとは正反対の意見を述べますので、ハイハイとなった方は面倒なので帰ってください/何を言われてもお互いに意見は変わらないと思いますし、面倒なので帰ってください/不愉快になられても面倒なので帰ってください、面倒なので)。

何が起きたかといいますと、この試合は西武界隈にとって大変大きな意味のある試合で、そのため通常の開催に比べてものすごくチケットの需要が高かったのです。その勢いは凄まじく、ファンクラブのプラチナステージ(※年間15万円くらい使う人)を対象とした先行販売の段階でチケットはほぼ売り切れており、一般販売の段階では瞬殺といっていい速さでチケットが売り切れてしまうほどだったのです。SNSなどを検索すれば開催の前日・当日になってもなお何とかして入場できないかとチケットを求めていた人の痕跡がたくさん目に入ると思います。当然ですが、チケジャムなどの転売サイトでも高額転売が行なわれるような状態で、西武界隈ではなかなか見られない過熱ぶりでした。僕自身も通常の販売ではチケットを入手できなかったため、公式リセールでボタン連打を何時間もすることになっていたりしたものです。

そんなことで西武界隈のチケット需要をまったく満たせていなかったものですから、選り好みなくチケットが買われるような状態となっており、通例ならすすんでは買わないであろうビジ外…「ビジター外野指定席」に対しても、かなり早い段階から西武界隈側の買いが入っていたようなのです。僕などは「買える席を買って何が悪い」と思うだけなのですが、これに対して強い強い勝手な拒否感を示す方がこの世にはたくさんいるようなのです。何を言っているのかよくわからないのですが、SNSなどであーだこーだ言われていることを総合すると「ビジ外は相手方の聖域である」ということだそうで、「ビジ外侵入はモラル違反」「頭がおかしい」「侵入民のクソ共」「馬鹿じゃねぇのか」「害虫」「侵入民は半●し」という話のようなのです。「ビジ外侵入問題、ハイハイ」ってならない人からすると、ビックリ粗暴ニュースですよね。球団が言うならまだしも、ただの客でしかない人がこんなこと言うんですから「何様?」ってなりますよね(※お客様ではあるが)。

↓ちなみに当日のビジター外野席はこんな感じでした!


チケットの売れ方からすると「買ったけど席にいない」人がたくさんいそうですね!

君子危うきに近寄らず!

これもしかしてハイハイ勢は勘違いされているのかもしれませんが、ライオンズ外野指定席やらビジター外野指定席やらのことを「応援行為をするための席」だと思われていたりするのでしょうか。違いますよね。あそこは「応援行為をしてもいい席」ですよね。「するための」ではなく「してもいい」。「するための」ではなく「してもいい」。「するための」ではなく「してもいい」。(※大事なことなので2回言ったあと、全然伝わってないんだろうなと思ったのでもう1回言いました)

僕の認識では野球場に応援行為をするための席は1席もありません。全国のスタジアムを見たわけではないのでなかにはそういう球団やスタジアムもあるかもしれませんが、少なくとも埼玉西武ライオンズがベルーナドームでする試合に、そういう席はないと認識しています。あえて言えばスタジアムDJの人が座ってるイスとかはそうなのかもしれませんが、少なくともお客が座っている座席にそういう席はないはずです。あるのは「応援行為をしてもいい席」だけです。

ここで言う「応援行為」とは、拍手や歓声などの一般的な応援とは区別されるものです。プロ野球においては試合観戦契約約款に基づいて、特別な応援に関する許可をする「特別応援許可規程」という定めがあり、観客を組織化しまたは統率して行なわれる「応援団方式の応援」をする者はこの規程に則って許可を受けることになっています。詳細はそれぞれご覧いただければと思いますが、この規程で許可を得た「許可団体」による応援が円滑かつ秩序だって行なわれることを確保するために、プロ野球が適切と認める限度において、特定区域の座席を確保するということになっており、その確保された座席が「ビジター外野席」などの特定カテゴリになるわけです。そこでは応援団方式の応援を「してもいい」と特別に許可されているのであって、「するための席」であるとか「しなくてはいけない席」であるなんてことは一切ないのです。

むしろ憲法やら法律やら社会のルール・常識・モラル・マナーに照らせば、「立つなよ邪魔!邪魔!」とか「うるせーな合唱するな!」とか「ヘンな旗出すな!目障り!」とか「下手糞なラッパ止めろ!騒音!」とか言われるような観戦の妨げになる行為を「特別に許可していただいている」立場なのですから、応援団もそれに賛同する者も周辺のお客様に十分に配慮をしたうえでひとりひとりにご挨拶をして「応援団をやらせていただいております●●でございます。目障り耳障りな瞬間もあろうかと思いますがプロ野球を盛り上げようと頑張らせていただいておりますので平にご容赦くださいませ。もしよろしければ歌や踊りも一緒に楽しんでいただければ幸いです。本日はどうぞよろしくお願いします」と頭を下げるべき側のはずです。

それがいつしか(というか伝統的に)、そこで応援行為をすることが当たり前になり、応援行為を好み賛同する者だけが集まってくることに増長し、そうでない人たちを排除するような考えに先鋭化して至り、「ビジ外侵入」などという謎概念をこじらせているのだとすれば、それはおかしな話だと言わざるを得ません。ビジター外野席などは「応援行為をするための席」ではなく「応援行為をしてもいい席」でしかないのですから、「応援行為をしなくたって当然いい」のです。私服で座って見ている人をSNSに晒して「地蔵」だの「侵入民」などと正義面の誹謗中傷をするのはまったくもってお門違いで、同好の士だけで仲良くやっていればいいのです。自分たちが仲良く楽しく応援行為をしている姿に感化されて、新しい仲間が増えたらいいなぁと内心で祈りながら。

スタジアムルールなどで定められている「ライオンズゾーンおよびビジターゾーンでは、お客さま同士のトラブルを避けるため、相手チームのユニフォーム・シャツ・キャップ等の着用、相手チームの応援、応援グッズの使用、露出をお断りしております」といった定めも、よく読めばわかるように「お客様同士のトラブルを避けるため」の定めです。本来ならこんなルール必要ないのだけれど、輩客が勝手にキレて揉め始めるので、面倒だし、安全管理の観点から、相手方グッズ着用や応援はやらないでくださいとお願いしているわけです。球団がそうしたくてそうなったのではなく、客が勝手にキレて揉めて面倒だし、面倒な客を説き伏せるのも面倒だし、どうせ話しても聞きゃしないから話すだけ面倒なので、禁止にしちゃえ面倒だから、って話でしかないのです。言うなれば「この裏道にはギャングが巣食っているから観光客は絶対に通らないように!」っていう危険地帯に対して、警察・国家が治安維持の努力を放棄して「うーん、この道は観光客通行禁止!ギャング仲間のみ通行可!」ってしちゃったような話です。1行目に戻りますが、まさしく「実効支配」だなと思うわけです。

僕の心は徹頭徹尾「応援の話ごときで揉める輩が悪い」なので球団が悪いとか実際にその席を買った人が悪いとかは微塵も思っていません。応援行為そのものを愛し、絶対視している人からすれば、相手方のビジター外野席等を買ったり侵入したりする者は許しがたい悪なのかもしれませんが(許せば自分たちの側もやられるのがイヤなんですかね?それとも謎の相互リスペクトとか?)、応援行為を愛しも絶対視もしていない立場からすると「揉めるならまとめて排除対象」でしかないのです。祭りのテキ屋と同じで「あれば雰囲気が出るし、それなりに楽しい瞬間もある」とは思いますし、ヤクザがやってるんだろうなぁと思っても表面上のトラブルがなければ気にもしませんが、ナワバリ争いとかが始まって揉めるようなら「じゃナシで」でしかないのです。

そんな揉め事の気配を察して、球団側も対応に迫られたのでしょうか。27日付けで「8/30(日)栗山巧選手引退試合および引退セレモニーの観戦・応援ルールなどについて」というお知らせを出し、引退セレモニー内に限り、ビジター外野席などのビジターゾーンで応援ボード・ゲートフラッグ・応援グッズの使用や、ライオンズのユニフォーム・シャツ・キャップ等の着用を特別に可能とするとしたのです。これをしてハイハイ勢は「球団が侵入を追認!最悪!」などと噴き上がったわけですが、もう僕の側からすると世界観が違い過ぎてそういう理解になるロジックすらわかりません。

↓この発表の何がダメだと言っているのか、世界が違い過ぎて理解ができない!




繰り返しになりますが、どの席を誰が買おうが問題などありません。ビジター外野席などはビジター側の応援行為をするための席ではなく、ビジター側の応援行為を「してもいい」席でしかありません。もともとどこファンだろうが買ったり座ったりして悪いはずがない(居心地は悪いかもしれないが)。ただ、何故か妙なナワバリ意識をこじらせて揉める輩客がいるので、お客様の安全のために「そこでは相手方を応援したりグッズ使ったりしないでくださいね(揉めて面倒だから)」と輩ではないお客様に折れてもらっているだけです。それが今回は、結構な数の西武側ファンがビジター外野席のチケットを買っていそうだという危機感(揉め事が起きそうで面倒の意)と、そういう人も引退セレモニーくらいは揉め事の心配なく別れを惜しんでほしいし、楽天側からもそういった惜別の思いがあふれても不思議はないほどの選手であろう、ということから「セレモニー中は揉め事なしでお見送りしましょうね」と主催者として通達したわけです。客がマイルールをこじらせているのとはまったく別次元で、主催者として決めたのです。

応援行為を主導する許可団体はそうした球団側の意向をしっかりと受け止めて、一般の観客の模範たる応援リーダーとしての自覚のもと、ほかの応援団及び観客との紛争を回避し、安全かつ平穏な観戦に積極的に協力することを心掛けなければならないはずです。自分たちとガッチリつながった同志に対しては「俺達の理論ではアッチ行けば揉め事が始まるから買うな行くな」「行きそうな人がいたらチケット分配してコッチに来させてやれ」と悟し、ただただこの試合に参加したくて珍しくビジター外野席など買ってしまった人に対しては「これこれこういうマイルールで揉めちゃう体質なのでセレモニーまでは我慢してくださいな」とお願いしてまわり、相手方応援団に対しても「今日は大事な日なので揉め事はなしでお願いしたい、何卒ご容赦を」と頭を下げるのが必要なことであり、SNSの誹謗中傷やら非難合戦やらを放置して、「その通り!侵入民が悪!」「球団の売り方がクソ!」「この決定は最悪!」などと見守っているだけでいいはずがないのです。火の番かと。

↓セレモニー中はビジター外野席にもチラホラと青い光が見えました!


球団の願いが通じたようでよかった!

「揉めないでくれよ」という切なる願いが!



応援行為って結局、映画の応援上映みたいなものだと思うのです。通常の映画上映であれば、席にビシッと座って飲食の音も立てないように静かにしているところを、映画の盛り上がりに合わせて歓声をあげたり拍手したり「してもいい」とした特殊なスタイル。それが楽しいと思う人がいるのは理解できますし、応援上映に来て静かに見ている人は何がしたいのかわからんという意見も理解はできますが、あくまでも「してもいい」であって「しなければならない」ではないのです。「するための」ではなく「してもいい」なのです。

応援上映にうっかり入ってしまった人は、周囲が歓声をあげてセリフが聞き取れなかったりするかもしれませんが、それはそういうスクリーンに入ってしまったのだから受け入れるべきことでしょう。でも、「オイ地蔵立て」などと言われて応援上映スタイルを強制されるいわれはないのです。ましてや「LブロックからNブロックは山王工業の応援席なんだよ!」「てめー湘北高校の侵入民だな?」「つまみ出せ!」なんて話になっていいはずがない。応援上映スタイルが合わないなと思ったら次から来なければいいだけの話であり、決めるのはその人それぞれで、他人の決定に対してどうこうする筋合いはないのです。主催者である球団なり劇場なりが、「これは止めてくれ」とか「こうしてほしい」とか言うのであれば、それはそんなものかなと思いますが。

何か解決策があるかしらと一応思案してもみたのですが、相手方ファンクラブのみで売ったところで効果的ではないと思いますし(※常時は難しいと思う/ファンクラブに入って買うだけだろうし/そもそも相手方が他会場のチケットを頑張って売る道理はない/無料でもらって儲けていいなら引き取るけど)、自分側の枚数を増やすために相手エリアを絞ったらそれはそれで文句言われそうですし、絞ったら絞ったで足りなきゃ普通に買うでしょうし、輩マイルールを啓蒙しても輩以外が従う道理はそもそもないですし、最終的には応援行為を許可しないくらいしか根本解決はないのかなと思いました。まぁそれだと球団としては輩売り上げが減ってしまうので、上手いことあしらってお金をたくさん落としてもらうほうが賢いのだろうと思うと、最低限の安全管理をしつつ、やってる感だけ出して、できるだけ何もしないのが得策なのかなと思いました。それすらも面倒だけど。

そんなことで、ハイハイ勢(冒頭で帰っていてほしいが)は自他の境界線をちょっと見直していただき、侵入民だとかいわれてイヤな気持ちになっている人は「ですよね!」と溜飲を下げていただき、それぞれに平穏で楽しい観戦を目指していただきたいなと思います。球団の皆さまは客あしらいを頑張っていただきつつ、ジワジワと応援行為をしてもいい席の値段をあげていってほしいなと思います。あと5000円くらい高くても払うと思うので(だって応援行為をするために来るのだから、高いから内野席に行こうとはならない)、搾れるところから搾れるだけ搾って年俸とか補強とか「いつか将来的にサッカーみたいに緩衝地帯とかいう馬鹿馬鹿しい空席を作るハメになったときの損失補填費用」に充ててください!

↓栗山さん引退試合の4打席目は静寂応援で打った、って美談のようなので全部静寂応援でもいいんじゃないですかね!

僕は基本的に静寂応援でやってますけどね!

そのほうが選手も集中できるんじゃないですかね!実際!


「帰れ」と言ったのに読んで腹立ててる人はブログ侵入の悪自認でどうぞ!