ハーフパンツ姿で作業をする都の職員(4月)=松下聖撮影

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 厳しい暑さが続く中、ハーフパンツでの出勤を認める自治体や企業が広がっている。

 アパレル各社は、ビジネス向けに企画したハーフパンツの販売を始めた。(梶彩夏)

「快適、省エネ、集中力アップ」

 8月中旬、東京都新宿区の都庁環境局を訪ねると、黒や紺、ベージュなどのハーフパンツにTシャツやポロシャツを合わせた軽装で事務作業を行っている男性職員が目についた。都のクールビズを担当する環境局地域エネルギー課の周田徹さん(35)もその一人。気温が高い日や業務上軽装でも問題がない日はハーフパンツで登庁するという。周田さんは「最初は抵抗感があったが、はいているうちに慣れてきた。涼しくてかなり快適。集中力もアップしています」と笑顔をみせた。

 都は4月、近年の夏場の気温上昇などを受けて、クールビズを拡充。執務中に着用しても問題がない服装を具体的に示し、Tシャツ、短パン、ジーンズなどを挙げた。同課長の渡辺昇さんは「軽装は省エネにもつながる。相手に不快感を与えず、失礼に当たらない範囲で、新しい常識にしたい」と話す。

 民間企業でもハーフパンツを解禁する動きが広がる。不動産大手「オープンハウス」福岡支社は6月、街頭で営業活動を行う従業員に黒色のハーフパンツの着用を許可した。

 これまでスラックスにポロシャツやワイシャツと指定していたが、「涼しげな格好の方が、爽やかな印象を持ってもらえるのでは」と、福岡営業部の鎌倉修平さん。「現場からは、動きやすく快適との声があがっている。営業成績につなげられたら」と話す。

 都庁や企業が取り組む背景には、年々厳しくなっている夏場の暑さがある。気象庁によると、夏の平均気温(6〜8月)は2023〜25年、3年連続で過去最高を更新した。

清潔感が重要

 アパレル各社も、ビジネス向けハーフパンツの販売に力を入れる。三陽商会の紳士服ブランド「ブラックレーベル・クレストブリッジ」は4月、ビジネスシーンでも着用できるハーフパンツ(1万9800円)を初めて販売した。

 通気性に配慮したポリエステルなどの混紡素材を使用。従来提案してきたハーフパンツより丈を長くし、裾に向かって細くなっていくテーパードシルエットにした。売れ行きは好調で計画の2割増し。担当する玉置貴史さんは「ジャケットにも合わせられるデザイン。夏場のビジネスウェアの選択肢の一つとして来季も継続したい」と話す。

 青山商事が展開する「洋服の青山」も、ナイロンとポリウレタンの混紡素材のビジネス向けハーフパンツ(5489円)を発売した。黒とチャコールグレーの2色で、同素材のジャケットや半袖シャツなども用意し、セットアップで着られるようにした。20〜30代を中心に関心が寄せられているという。

 ビジネス場面での装いに詳しいスタイリスト三好凛佳さんは「クールビズでは、ポロシャツやスニーカーも最初は賛否両論があったが定着した。ビジネスの場で男性が膝下の肌を露出することがこれまでになく話題になっているが、この暑さが続けば仕事着の選択肢の一つになるのでは」とみる。

 ビジネスの場で着用する際は「清潔感が重要。色は暗めで、足もとは革素材のスニーカーやローファーをあわせると、くだけすぎない。周囲に不快感を与えない装いを心掛けるといい」とアドバイスしている。