なぜ堂安律のサウジ移籍は合意寸前なのか? 衝撃の年俸16億円契約だけじゃない、フランクフルトの抱える“台所事情”「大物も売却される事実を変えられない」

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フランクフルトからサウジ移籍が実現間近だという堂安(C)Getty Images

 エポックメーキングな移籍の合意が間近に迫っている。

 サウジアラビア1部の強豪アル・イテハドは、今夏の移籍マーケットでの退団が濃厚となったフランス代表FWのムサ・ディアビの代役として、日本代表MF堂安律に的を絞り、所属先のフランクフルトと交渉を開始。ドイツの衛星放送『Sky』によれば、ドイツ人監督で、PSV時代にコーチとして師弟関係にあったイェンス・ヴィッシングが強く獲得を希望する本人とは年俸900万ユーロ(約16億7000万円)で個人合意したという。

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 もっとも、堂安の交渉は2030年6月30日までの契約を締結しているフランクフルト側に主導権がある。そうした中で今季から指揮を執るアディアドルフ・ヒュッター監督は、ドイツ紙『Bild』で「リツは私にとっては絶対的な存在で、違いを作れる選手だ」と断言。放出を断固として拒否する考えを明らかにしていた。

 しかし、現場の姿勢とは裏腹に財政難を抱える上層部の姿勢は柔軟だ。フランクフルトの地元紙『Frankfurter Rundschau』は今のチーム状況を「雰囲気、選手層、そして周囲のムードも大きな成果を上げるには程遠い」と断じた上で、アル・イテハドに対しては「オプションを含めた2000万ユーロ(約37億円)以上のオファーが舞い込めば、売却を決意する可能性がある」と指摘。さらにチーム内で堂安を売却するか否かで激しい議論が交わされているとし、こう続けている。

「ドウアンを『違いを作れるトップクラスの選手』と認めるヒュッター監督は放出には消極的だった。しかし、彼(ヒュッター監督)でさえも『移籍市場が開いている限り、我々は受け身にならざるを得ない』とクラブの立場は痛いほど理解している。つまり、フランクフルトは理想的な巨額のオファーがあれば、大物選手であろうと売却されるという事実を変えられないのだ」

 堂安の動向はサウジアラビア国内でもビッグニュースとして連日のようにクローズアップされている。大手紙『Asharq Al Awsat』は「アル・イテハドと日本人アタッカーの異例の取引は最終的な合意に達する寸前にある」と大々的に報道。当初に行き詰まりを見せていたフランクフルトとの交渉が急変している内情を伝え、「本人との残された手続きを完了させれば、正式契約を締結する見通しとなっている」とした。

 また、「ドウアンはチームの柱になるとみなされており、彼の加入はアル・イテハドにとって国内および国際レベルの大会に向けた強力な戦力強化という位置づけだ」とする『Asharq Al Awsat』は、「税抜き900万ユーロという魅力的なオファーは、ドウアンに再考を促した可能性が大いにある」とも指摘。フランクフルト時代の倍額とされる高年俸が29歳の決断を揺るがしたと論じた。

 無論、移籍が正式決定すれば、日本人選手初のサウジアラビア・リーグプレーヤーとなる堂安。今夏の移籍マーケットも閉幕寸前だが、詳細を詰めるだけともされる交渉は本当に実現するだろうか。

[文/構成:ココカラネクスト編集部]