近畿地方でM6・8以上の地震発生確率、30年以内に50〜60%に…活断層多く注意呼びかけ
政府の地震調査委員会は28日、近畿地方のどこかで今後30年以内にマグニチュード(M)6・8以上の地震が活断層によって引き起こされる確率が、50〜60%に上ると発表した。
近畿全域での地震の発生確率が示されるのは初めてで、調査委は各自治体に周知し、被害想定の見直しなどに役立ててもらう。
今回は活断層による直下型地震を分析しており、海底のプレート(岩板)境界付近で起きる海溝型の南海トラフ地震(M8〜9級)は対象外。調査委は既に、南海トラフ地震の今後30年以内の発生確率を「60〜90%程度以上」と公表している。直下型と海溝型双方で、地震の切迫性が高まっていることが改めて示された形だ。
調査委は近畿とその周辺を通る主要な活断層について、個別に地震の発生確率を分析してきたが、今回は新たに24本を加えた計45本を分析し、地域全体の発生確率を求めた。地域別での公表は九州(30〜42%)、関東(50〜60%)、中国(50%)、四国(9〜15%)に続いて5例目。近畿は関東と並んで最も高く、活断層の数は最多だった。中部など未公表の地域は現在、分析を進めている。
今回、近畿を三つのエリアに分けた値も算出。最も高かったのは、38本の活断層が集まる「近畿三角帯」(大阪府や京都府南部、兵庫県南東部など)と呼ばれるエリアで、40〜60%だった。その他は、7本の活断層がある「近畿北西部」が30%、活断層が近畿三角帯に含まれる1本だけの「紀伊半島」が7%だった。
調査委はそれぞれの活断層について、30年以内の地震発生確率を「S」(3%以上)、「A」(0・1%以上3%未満)、「Z」(0・1%未満)、「X」(不明)の4ランクで改めて評価。最も高いSと判定された活断層は8本だった。
調査委の小原一成(かずしげ)委員長は「近畿は活断層が多い分、全体的な地震の発生確率が高くなった。南海トラフ地震はもちろん、活断層による直下型地震にも十分注意してほしい」と話している。
