(※写真はイメージです/PIXTA)

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1970年代〜1980年代にかけては、給与の一部を定期預金に回しているだけで「誰でもノーリスク」で資産形成ができる時代がありました。それから半世紀あまり、現在の銀行の普通預金金利は0.3%ほど。現代では利息がほぼつかないばかりか、物価上昇によって実質的に資産が目減りしてしまいます。20年以上の投資経験を持つ就職氷河期世代のななし氏は、生活を守るための「現金」と、資産を育てるための「NISA」を明確に使い分けているそうです。本記事では、同氏の著書『手取り25万円、妻子持ちでも7000万円貯めた私の 氷河期世代のお金の戦略』(Gakken)より、「安全な現金管理」と「手堅い積立投資」を両立させる、無理のない資産運用を提示します。

普通預金で資産を2倍にするには「240年」もかかる

「72の法則※」を使うことで、多くの人がやっている「貯金(銀行の普通預金)」が資産形成の手段としていかに非効率であるかがわかります。

※編集部注 20年で試算2倍を実現するためには、どれくらいの利回りが必要なのでしょうか。その計算で使うのが「72の法則」です。

計算式:「72÷年数=年利(%)」または「72÷年利(%)=年数」

20年で資産を2倍にしたい場合、「年数」に20を代入します。すると72÷20で3.6。つまり、年利3.6%程度で運用できれば、約20年で2倍になる計算です。

たとえば想定利回りが8%であれば、72÷8で9となり、約9年で元金が2倍になることがわかります。「72」を、わかっている数字(年数または年利)で割ることで、「知りたい数字」がわかる式です。

現在、銀行の普通預金の金利はだいたい0.3%くらい(2026年7月時点)。これを先ほどの式に当てはめてみましょう。72÷0.3で240。なんと、銀行に預けているお金が2倍になるのは「240年後」です!

でもじつは、これでもかなりマシになったほう。少し前のメガバンクでは金利0.001%くらいでした。これだと7万2000年!! 少し前まで「銀行預金で資産が2倍になるには、縄文時代から預ける必要がある」なんて言われていたゆえんです。

1970年代から1980年代にかけては郵便貯金の定期金利が8%くらいあった時代もありました。氷河期世代からすれば想像を絶する利回りで、普通に働いて給与の一部をせっせと定期預金に回していれば、「誰でもノーリスクで資産形成ができた」のです。バブル崩壊後の一時期も銀行は3%くらいの金利を支払っており、それなら約24年で資産を2倍にできました。

それと比べて0.3%という金利は、少しは上がったとはいえほぼゼロと同じ。「100万円」預けても、利息は「1年で3000円」です。時間外にATMからお金を下ろしたり、振り込み手数料などを払っていたりしたら、あっというまになくなってしまう金額です。

せめて「定期預金」に

銀行にお金を預けることが悪いわけではありません。何かあったときのための保険として無リスク資産を確保しておくことは重要ですし、家の購入を考えている人なら頭金も必要でしょう。

私も資産のうち700万円ほど銀行に預けていますが、その9割くらいは定期預金に入れています。同世代の知り合いに聞いても意外と定期預金を使っている人が少ないのですが、使わないともったいないです。

定期預金とはおおむね1〜3年の期間を選んで、お金を預け、途中出金すると利率が下がる預金機能のこと。自由に出金できない分、金利が高めに設定されています(預ける金額が大きいor預ける期間が長いほど、金利の条件がよくなる傾向にあります)。

参考までに、私は住信SBIネット銀行を使っていて、1年もので直近の利子は0.4%。夏と冬のボーナス時期にキャンペーンをよくやっているので、現在は1.2%の定期預金にしています。とはいえ、インフレを考えると、この金利でも実質マイナスなので、やはり株式投資は必須ですね……。

ハイリスク・ハイリターンではなく、「多少のリスク」を背負う“投資”を

銀行金利がそんな状態ですから、庶民が自分の資産を増やしたいなら、多少のリスクを背負って投資をしないといけません。

ただ、一口に「投資」と言っても、いろいろなものがあります。ほぼ博打の領域のもの、リスクがそれなりに高いもの、堅実なもの。投資対象も株や、ゴールド外貨などと選択肢が多すぎて悩む人が多いと思います。

とくに私たちの世代だと、10年前くらいになんとなく仮想通貨を買ってそれで人生が激変したなんて知り合いがチラホラいてもおかしくないですからね。「投資をするならハイリスク・ハイリターンがいいのかな」と考える人もいるでしょう。

20年以上投資をしてきた私の結論を言うと、「S&P500」や「オールカントリー」などの投資信託を、NISAでコツコツ積み立てていく「インデックス積立投資」が、もっとも再現性の高い方法です

投資法としては王道で派手さはありませんが、投資初心者が無理のないリスクで老後資産を形成する手段としては、これが最適解に近いと考えています。

ななし

インデックス投資