「アンタ、半分隠居しているお父さんよりもらってないんか…」就職氷河期世代の外資系メーカー営業マン、団塊世代の母に〈手取り額〉をドヤ顔で伝えた結果→心がえぐられた“恐ろしいほどの世代格差”
バブル崩壊後の厳しい雇用環境の煽りを受けた「就職氷河期世代」。その親は、戦後の経済成長期に働き、比較的安定したキャリア形成が可能だった「団塊世代」にあたるという人も多いでしょう。この2つの世代では、「40代の収入」に対するイメージが大きく異なるようです。本記事では、ななし氏の著書『手取り25万円、妻子持ちでも7000万円貯めた私の 氷河期世代のお金の戦略』(Gakken)より、同氏の実体験を通して、団塊世代と氷河期世代のあいだに存在する“世代格差”を見ていきます。
母親からの火の玉ストレートな質問
以前、実家に帰省したとき、母親から「生活はできているのか? 実際の収入はどれくらいもらえているのか?」と火の玉ストレートな質問を受けたことがありました。当時は外資系メーカーで営業をしており、「手取りで28万円程度かな。それなりに満足な生活をしているよ」と、少しドヤ顔で回答したのです。
すると、母は私を残念そうな顔で見つめ、「アンタ、半分隠居しているお父さんよりもらってないんか……」と哀れみのまなざしを向けられました。
実は私、それまで団塊親世代とのギャップや確執を意識することは、ほとんどありませんでした。日本経済の最前線で働いてきた先輩たちとして尊敬していますし、育ててもらったことにも感謝をしています。ただ、そのとき母にかけられた言葉で、氷河期世代と団塊世代の間に存在する「圧倒的な隔絶」を意識させられたのです……。
必死に働く40代より、昼頃に帰る70歳父のほうが高収入…痛感した「世代格差」
親世代は、自由に仕事を選べたわけでないとしても、働く先に困ることがなかった時代に、安心してキャリアを積めた世代だと思っています。もちろん私の収入は自己責任ですが、一般的な団塊世代が思う「40代の収入」のイメージってこうなんだと気づかされた瞬間でした。
当時の父は70歳。自営業で、某インフラ企業から仕事を少しだけ請けて生活をしていました。生活のこともあるし、働けるところまで働きたい。そんな気持ちからです。
週5日くらい働くものの、早ければ昼ごろ、遅くても陽の明るいうちに家に帰ってくる日々。それでいて収入が私よりも多いと教えられました。父がめちゃくちゃ営業努力をしたのか、狭いコミュニティのなかで年功序列の意識が生きているのかはわかりませんが、少なくとも父の世代が引退し、同じ仕事が若い世代に回ってきたとき、同様の単価は出ないと断言できます。
団塊親世代が後期高齢者へ…はじまる「資産の移転ラッシュ」
団塊の世代が後期高齢者となったこれからは、「資産の移転ラッシュ」がはじまります。それなりの資産を受け継いで老後の不安が一蹴できる人もいるでしょうし、不動産価値のない空き家だけ相続して、処分に困り果てる人もいるかもしれません。
いずれにせよ団塊世代からの「資産の移転」は起きますが、「収入の移転」の見込みはありません。家族経営だったとしても、代替わりのタイミングで取引条件が変わるなんてことはよくある話。このあたりに日本の未来の暗さがあるのかもしれません。
私は父の収入に負けたから悔しかったわけではありません。恐ろしいほどの世代格差に心がえぐられたのです。両親が経済的な不安なく生活できていることには安心しましたが、羨ましくなる「世代間の話」は正直聞きたくありませんでした。
団塊世代に負けない氷河期世代の「強み」
そんな氷河期世代の私でも、両親に対して誇れるものがあります。それは、夫婦そろって身の丈にあった生活を送りながら、笑顔の絶えない家庭を維持できているということ。文句を言わず、自暴自棄になるわけでもなく、収入内で必ず収める生活をして、あまったお金でコツコツと資産運用を続けていること。
そして、「生き抜く力」です。社会の荒波に揉まれて苦労してきた私たち氷河期世代は、「生きる力」に関しては誰よりも強い世代なんじゃないかと思っています。
ななし

