千葉豪雨による甚大な被害を受け、内閣府気象庁などの関係省庁は「レベル5大雨特別警報」が発表された際の行動指針と、浸水時における自動車運転の注意点をまとめた啓発チラシを新たに公表した。テレビ朝日社会部で気象庁を担当する山内陽平記者が、被害の実態と政府が異例のスピードで注意喚起に踏み切った背景について解説した。

【映像】いたるところに放置された車

千葉豪雨で浸水4000件超 放置車両2700台が復旧の妨げに

 千葉豪雨では13人が死亡、1人が行方不明となっているほか、床上・床下浸水を含めて4000件を超える住宅被害が発生した。特に印象的だったのが冠水した道路に取り残された車両の多さで、動けなくなって放置された車両は約2700台に上った。都市部の至るところで道路が塞がれ、すべての車を撤去するまでに約1週間を要したほか、車内で逃げ遅れて亡くなる痛ましいケースも発生した。

レベル5は「垂直避難」徹底 車移動には「!」付きで強い警告

 こうした深刻な被害を受け、政府が作成したチラシでは取るべき行動が明確に示されている。レベル5発表時は「すでに安全な避難ができず命が危険な状況」であるため、むやみな外出を避け、自宅の2階以上へ移動する垂直避難など、今いる場所で身の安全を確保するよう促している。

 さらに2枚目のチラシでは車での移動について言及しており、「浸水が懸念されている時は、車での移動は控えてください!」「冠水した道路への侵入は命に関わる危険があります」と、感嘆符を交えた強いトーンで警告を発している。

数十センチの冠水でエンジン停止の恐れ 「レベル4」までの早期避難を

 車は吸気口やマフラーから数十センチ浸水しただけでもエンジンが停止し、再始動できなくなるリスクがある。さらにスピードを出して走行すると浸水しやすくなり、1台が立ち往生することで後続車が連鎖的に水没する危険性も指摘されている。放置された車両は翌日以降の救助活動や復旧作業を阻害するため、政府としても重く受け止めている。

 通常、防災情報の検討には長期間を要するが、今回は千葉豪雨の直後から内閣府が司令塔となり、関係省庁が連携して異例のスピードで周知を図った。アンダーパスや低地で急激に水位が上がる都市型水害(内水氾濫)のリスクを周知し、大雨時には帰宅を急がず安全な場所で待機するよう求めている。また、レベル5に達した段階ではすでに安全な避難自体が難しくなるため、自治体から避難指示が出る「レベル4」の段階で確実に避難を完了させることが重要となる。

(ニュース企画/ABEMA