秋葉原の立ち食いそば3選-300店巡ったライター・シュウスケが昭和から続く名店を厳選

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電気街やサブカルチャーの街として国内外から多くの人が訪れる秋葉原。そんな街の駅周辺には、昭和から受け継いできた味を大切にしながら、新たな工夫を重ねてきた立ち食いそば店が今も暖簾を掲げています。

早い、安い、うまいだけでは語りきれないのが、秋葉原の老舗立ち食いそば点の奥深さ。一杯ごとに受け継がれてきたつゆの香り、天ぷらの味わいには、それぞれの店ならではの個性がぎゅっと詰まっています。今回は、秋葉原駅から徒歩10分以内で訪ねられる、創業50年以上の歴史を持つ立ち食いそば店3店をご紹介します。

創業60年!昭和の面影と豊富な天ぷらで愛される名店『二葉』

まずご紹介するのは、昭和41年(1966年)創業の『二葉』。60年にわたり暖簾を守り続け、今なお多くの立ち食いそばファンを惹きつけてやまない老舗です。

店を訪れて、まず目を引かれるのが昭和の面影を色濃く残した佇まい。店名が白く記されている色あせた茶色のテントは、長年この地で多くの人を迎えてきた歴史を感じさせ、暖簾をくぐる前から老舗ならではの風格が伝わってきます。

左右二つの扉の間には、天ぷらなどの価格が記された白い短冊メニューが並んでいます

この店の魅力の一つが、種類豊富な天ぷらです。春菊天、げそ天といった定番のほか、貝柱かき揚げやアサリかき揚げ、アジ天、キス天なども並びます。中でも貝柱がゴロゴロ入った「貝柱かき揚げ」は、つゆを含んだ衣の香ばしさと貝柱の旨みが重なり、常連客から高い人気を集める一品です。

もう一つ、この店で人気のトッピングが「木くらげ」。今回いただいたのは、きくらげに自家製ラー油を絡めた「辛きくらげ」(150円)を添えた一杯です。そばと一緒に口に運ぶと、つるりとしたそばにコリコリとしたきくらげの食感が重なり、ピリッとしたラー油の辛みが後から追いかけてきます。

トッピングしたのは辛きくらげ。生姜・鷹の爪・花椒の粒・八角・一味唐辛子・にんにくなどで作ったという自家製ラー油は刺激的

そして、時間とともに辛きくらげのラー油が、出汁の香り豊かなつゆに溶け出して、ピリ辛になっていくのも楽しめます。

店内には、長年多くの人に親しまれてきた老舗ならではの空気が流れています。湯気の立つ一杯をすすりながら、その歴史に思いをはせる時間も、この店ならではの楽しみ。立ち食いそば好きなら、一度は足を運んでおきたい一軒です。

[店名]二葉

[住所]東京都千代田区神田和泉町1-4-6 第2西川ビル1F

[営業時間]7:30~18:00(月~金)

[休日]土・日・祝日

[交通]東京メトロ日比谷線「秋葉原駅」から徒歩5分、JR「秋葉原駅」から徒歩6分

自家製そばの香りと本格つゆで立ち食いそば好きに愛される『みのがさ 神田和泉町店』

そばのおいしさに定評があるのが『みのがさ』です。創業は昭和51年(1976年)。千代田区・台東区に3店舗展開していますが、今回訪れたのは、JR秋葉原駅から徒歩6分、昭和通り沿いにある『みのがさ 神田和泉町店』。

入口に掲げられている紫の暖簾には、真田家の家紋「六文銭」が描かれています

注文したのは「げそ天そば(冷)」(600円)。丼を受け取ると、白く艶やかな細打ちのそばに目を奪われます。見た目からも、そばへのこだわりが伝わる一杯です。信州のプレミアムそば粉・戸隠を使い、50年以上のキャリアを持つ職人が、毎日、自社工房で製麺しているそう。

今回いただいた「げそ天そば(冷)」。冷やしも同じ価格で、食券を渡すときに店員さんに告げればOKです

そばをすすると、細めながらしっかりとしたコシがあり、喉ごしはなめらか。噛むほどにそばの香りがふわりと広がります。つゆは昆布とかつお節で丁寧にとった出汁に、醤油と本味醂を使った返しを合わせた本格派。だしの香りが澄んでいて、最後の一滴まで飲み干したくなる味わいです。

げそ天は、短く刻んだげそを揚げたタイプ。つゆに浸して口に運ぶと、衣がほどけるたびにげその旨味がジュワッと広がります。

米は山形産のはえぬきを使っており、ご飯のおいしさにも定評のある『みのがさ』。そば一杯ではもの足りないという方には、「そば屋のカレーライスセット(そば付き)」(720円)もおすすめです。

[店名]みのがさ 神田和泉町店

[住所]東京都千代田区神田和泉町1-3-2

[営業時間]6:00~19:00(月~金・祝日)6:00~17:00(土・日)

[休日]不定休

[交通]東京メトロ日比谷線「秋葉原駅」から徒歩2分、JR「秋葉原駅」から徒歩3分

駅ナカの便利さと幅広いメニューで半世紀以上にわたって親しまれてきた『新田毎』

使い勝手の良さで選ぶなら、JR秋葉原駅構内に店を構える『新田毎(しんたごと)』。昭和43年(1968年)の創業以来、半世紀以上にわたって多くの駅利用者に愛され続けてきた老舗です。

場所は6番ホーム(総武線各駅停車・千葉方面)の連絡口。店内には椅子席もあり、座って食べられます

一番人気は、大ぶりなとり天が三つのった「鳥天そば」ですが、よりお得に味わいたい方には、時間限定で提供されるタイムサービスのメニューがおすすめです。

今回いただいたのは、タイムサービスで定価540円が350円になっていた「海老かき揚げそば(冷)」。そばは生そばならではのコシとのど越しが楽しめます。つゆは出汁がやさしく香る、ほんのり甘めの味わい。

お得にいただいた「海老かき揚げそば(冷)」。タイムサービス実施時間は、平日の6時30分~9時30分と14時30分~16時30分です

海老かき揚げは、小エビとたまねぎ、にんじん、春菊などをカラッと揚げた一枚。ひと口かじると、こんがり色づいた衣がサクッと香ばしく、プリッとしたエビの食感と玉ねぎのやさしい甘みが口いっぱいに広がります。

立ち食いそば店でありながら、このお店のもう一つの人気メニューが「ステーキカレー」(1200円、タイムサービスで800円になることも)。同じ運営会社が展開する有楽町のカレーの名店『ふくてい』の人気メニューをそのまま提供しており、そば目当てで立ち寄ったはずが、次はカレーも食べたくなるお店です。

[店名]新田毎

[住所]東京都千代田区外神田1-17-6 JR秋葉原駅改札内

[営業時間]6:30~23:00

[休日]不定休

[交通]JR「秋葉原駅」改札内6番ホーム

【著者紹介】

シュウスケ。ライターとして求人サイトの広告制作に携わる一方、ライフワークとして立ち食いそば店巡りを続けている。気軽においしいそばが味わえる立ち食いそば店をこよなく愛し、これまでに300店以上を訪問。店ごとの一杯の個性と、その店ならではの空気感を伝えることを大切にしている。現在、東京都と島根県松江市で2拠点生活をしており、noteで情報発信中。

【画像】辛きくらげ、ゲソ天、海老かき揚げ。歴史ある名店のそば3選(9枚)