蔵内議長

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 8月24日、全国紙やテレビ局など大手メディアは「福岡県議会の蔵内勇夫議長が24日午前、県議を辞職すると発表した」と相次いで速報で報じた。福岡市に本社を置くブロック紙・西日本新聞は、蔵内氏が《本紙の取材にも「先週、近親者に伝えた」と認めた》と詳報した。“カツアゲ告発”に端を発した福岡県議会のドンをめぐる金銭授受疑惑は、福岡県内のローカルニュースではなく全国ニュースの扱いになっており、その報道内容に多くの国民が怒りをあらわにしていた。議長職の辞職だけでは世論を納得させられないと考え、議員辞職を決断したと見られる。

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【現物入手】「批判は見当違い」「扇動されたマスコミと世論が…」 福岡県議会“カツアゲ”疑惑 議員辞職が報じられた蔵内議長が支援者に送っていた「説明文」の呆れた中身

 辞職の一報に、安堵した自民党の国会議員も少なくなかったのだろうか。

蔵内議長

 ジャーナリストの鈴木哲夫氏は福岡県出身。1983年に東京の早稲田大学法学部を卒業すると、地元テレビ局のテレビ西日本に就職した。県庁記者クラブを担当した時期に蔵内議長が県議会選挙で初当選したという奇縁がある。

 鈴木氏は福岡県政の取材を重ねてきただけでなく、フジテレビに出向してからは永田町の動向も現場で目の当たりにしてきた。

 さらに東京MXテレビやBS11の立ち上げメンバーとして、報道局長など要職を歴任。2013年にフリーとなってからも政治、社会、防災と多角的な取材を精力的に続けており、自民党の国会議員と話をすることは日常茶飯事だ。

 ところが最近、蔵内氏の問題が全国ニュースとして報道されるようになると、鈴木氏の経歴を知る自民党の若手国会議員から「福岡県議会は今、どんな状況ですか?」と“逆取材”されることが増えたという。

「何しろ来年4月には統一地方選が予定され、すでに選挙活動は始まっていますからね。自民党の国会議員、特に今年初当選した1回生は足繁く地元に帰り、自分を当選させてくれた地方議員の選挙を手伝っている。いわば“恩返し”に全力を注ぐわけです。地元の集会に顔を出し、支援者に統一地方選の支援をお願いする、一緒に辻立ちして有権者に挨拶している国会議員もいます」

「地元議会は?」の切実な疑問

 自民党の国会議員が鈴木氏に「福岡県議会は、どうなっていますか?」と質問した理由は主に2つある。1つ目は有権者の自民党に対するイメージダウンの懸念だ。

「そもそも自民党は派閥の裏金問題も充分に解決できていません。疑惑が依然としてくすぶっている中、今度は福岡県議会で“政治とカネの問題”が浮上したわけです。当然ながら有権者が『やっぱり自民党は地方議会でも金権体質なのか』と受け止めることになります。しかも来年4月の選挙は他ならぬ統一地方選ですから、福岡県議会の問題が長引けば長引くほど自民党のマイナスイメージも大きくなり、地元の地方選の逆風になってしまうという不安が1回生国会議員にはあるのです」(同・鈴木氏)

 蔵内氏が議長の座を辞めるだけでは足りない。議員辞職をしてもらわないと世論は収まらない──こんな悲鳴を上げていた自民党の国会議員は少なくなかったに違いない。

 ならば蔵内氏が県議を辞める意向を示したのだから一件落着……と言えば、まだまだ予断は許さないという。自民党の国会議員は2つ目の問題、つまり「我が地元の議会は大丈夫なのか?」という不安を抱えているのだ。

全国の実情を調査するか否か

「実は全国の他の地方議会でも、議会のポストなどをめぐって、福岡県議会と同じような金銭授受の慣習があるのではといった情報が永田町で流れ始めています。私のところにも2県についてそれぞれ元職員などから真偽不明ですが『噂がある』と情報提供がありました。統一地方選に向けて地元で応援しなければならない自民党の国会議員にしてみれば、とにかく早く収束して欲しいわけです。危機管理の基本に従えば、自民党の鈴木俊一・幹事長は、福岡の県連を厳しく指導し、全国の県連に調査させるべきでしょうが、『実はうちも……』なんていう話が飛び出しても困る。“パンドラの”を開けるのも怖いという本音はあると思います。さらに高市首相は9月の内閣改造を検討しています。新執行部になる可能性もあるので鈴木幹事長は今は積極的には動けないということも考えられます」(同・鈴木氏)

 とにかく蔵内氏は県議を辞めてくれた。後はじっとしておこう──もし自民党がこう判断したとして、果たして吉と出るのか凶と出るのか。

 しかしながら福岡県議会で起きていることは“政治とカネ”を巡る問題の追及ではなく、県政のヘゲモニーを争う“権力闘争”に過ぎないという。

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デイリー新潮編集部