偽の大学卒業証書を市議会議長らに示したなどとして、有印私文書偽造・同行使罪などで在宅起訴された前静岡県伊東市長の田久保真紀被告(56)を巡り、県警が2月に被告宅を家宅捜索した際、押収したパソコンから証書作成に使ったとみられるデータが見つかっていたことが25日、分かった。

 関係者によると、県警がパソコンをサイバー捜査で解析して発見。証書は現在、弁護人が保管している。静岡地裁は5月、公判前整理手続きの実施を決定。検察側は印鑑製造販売業者に作成させた学長名などの印鑑や、今回のデータを公判の重要な証拠とする考えとみられる。

 起訴状によると、田久保被告は東洋大を除籍されていたのに、昨年5〜6月、卒業者として自身の名前を記し、業者に作成させた偽の学長らの印鑑を押して卒業証書を偽造。6月4日に市役所で中島弘道議長らに示したとされる。

 証書を見た時間を巡っては双方の説明が食い違っていた。中島議長は「サッと出されて、サッと目をいったら、スッと引かれて。チラ見です」と証言。一方、田久保被告は「チラ見せといった事実はありません」と否定し、「約19・2秒見ていただいたと記憶しております」と主張した。「卒業証書19・2秒」は2025年新語・流行語大賞にもノミネートされた。

 田久保被告は、百条委員会で虚偽証言したとする地方自治法違反罪にも問われている。経歴詐称疑惑を抱えたまま、昨年12月に市長選に出馬したものの、3位で落選した。

 ◆田久保 真紀(たくぼ・まき)1970年2月3日、千葉県生まれ。56歳。中学時代に静岡県伊東市へ移住。1988年、静岡県立伊東城ヶ崎高校を卒業後、東洋大法学部に進学。東京で広告や企画営業の仕事などを経験した後、フリーランスとして独立。2010年に伊東市へ戻り、カフェを開業。17年頃からメガソーラーの反対運動に参加。19年に伊東市議に初当選、23年に再選。25年5月の伊東市長選で初当選したが、経歴詐称問題で失職。12月の同市長選に出馬したが、落選した。