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記録的な猛暑が続いた今年の夏。冷えたビールで喉を潤し、明日への活力を得た人も少なくないだろう。

【写真を見る】「チェイサーで二日酔い防止」科学的根拠なし…大分大学医学部の検証で明らかに 専門家が推す“賢い付き合い方”とは

そんな酒席で、まるで「免罪符」のように信じられてきた定説が、「酒の合間の水(チェイサー)は体内のアルコールを薄め、二日酔いを防ぐ」というものだ。

しかし、大分大学医学部が行った最新の研究で判明したのは、「この通説には科学的根拠はない」とした事実だった。

酒量が同じなら二日酔い症状は緩和されない

検証を行ったのは、同医学部の今井浩光教授(62)らの研究チームだ。

検証は、20~50代の男性13人を対象に、同じ量の日本酒を「水を飲みながら飲む条件」と「飲まない条件」で2回摂取して、その後の症状を比較した。

その結果、飲酒後に検知した呼気中のエタノール濃度や自覚症状(頭痛・吐き気)などで、水を飲んだ場合と飲まなかった場合でほとんど差が見られなかった。

今井浩光教授:
「検証の結果、『水を飲めば体内のアルコールが薄まり、二日酔いにならない』という通説には根拠がないことが分かった。同じ人が同じ酒量を飲んだ場合、途中で水を挟んでも二日酔い症状は緩和されない」

チェイサーの本当の価値とは?

では、お酒の席で水を飲むことは全く無意味なのだろうか。今井教授はチェイサーの「別の効果」を指摘する。

今井浩光教授:
「途中に水やお茶を挟むと満腹感が得られることから飲酒ペースが『緩やか』になる。結果としてトータルのアルコール摂取量が減少する効果は期待できるため、『チェイサーは二日酔いを軽減する』という通説は、こうした体への負担軽減が背景にあったのではないか」

理想的な割り材の選択肢は…

食に関する研究を長年続けている食育研究所の立松洋子所長(69)は、この研究結果を「体内のメカニズムに合致しており納得できる」と共感。そのうえで、水だけにこだわらない“おすすめの工夫”を教えてくれた。

立松洋子所長:
「肝臓がアルコールを分解する際、体内のブドウ糖を消費します。そのため、理にかなった防御法は『糖質補給』です。具体的にはお水だけでなく、甘いジュースなどを割り材に選ぶことも有効な選択肢です」

「物価高で飲み放題の店は魅力的ですが、ついついオーバーペースとなるリスクもはらんでいます。ワインや焼酎など度数の高いお酒を飲む際、ジンジャーエールやフルーツジュースで割り、糖分摂取量に気を付けたうえでアルコール摂取量を減少させる『賢い付き合い方』を楽しんでほしいです」

「優秀なブレーキ」としての活用を

チェイサーは、二日酔いを消し去る「魔法の薬」ではない。

長年耳にしてきた都合のいい通説は、間違った解釈であったことを理解したうえで、飲むペースを抑えて総量をコントロールするための「優秀なブレーキ」として活用し、「適量をゆっくりと楽しむ」ことが、科学的に正しい付き合い方のようだ。