阪神・森下翔太が明かした“究極”の今季ベストアーチ 構えもタイミングも変更、探究心が生んだ偶然の一発
21日に自身初のシーズン30号に到達した阪神・森下翔太外野手(26)が、今季のベスト本塁打を本紙に明かした。選んだのは交流戦期間中の5月30日ロッテ戦(ZOZOマリン)。右打者に不利な強風の中、推定飛距離141メートルの今季14号の驚弾を挙げた。裏にあったのは、背番号1の飽くなき探究心。今後本格化するV戦線でも期待は高まるばかりだ。22日のDeNA戦(横浜)は雨天中止となった。
22日時点で佐藤輝と並び30本塁打でキングを走る森下が、進化を見せた1打席があった。“究極”の1本は交流戦の5月30日ロッテ戦。4年目でキャリア初となる2打席連続本塁打をマークした打球だった。
「体の使い方やスイングを含めれば今のところ一番。たまたまかもしれないけど」
右腕・唐川のカットボールを見事に捉えた打球は、左翼席上段へ飛び込んだ。その一撃を放つ直前、ZOZOマリンのスコアボードには左翼から本塁方向へ風速8メートルと表示され、右打者には不利な強風が吹いていた。そんな逆風も全く関係なし。打った瞬間、自身も確信した打球は飛距離141メートルを計測した。周囲の度肝を抜く圧巻のパフォーマンスだったが、実はこの一発は「偶然」に近かったという。
「あれはもうその場でやってみた感じ。構えとかタイミング、バットの出し方を(変えてみた)。周りから見てたら分からないかもしれないけど。自分の技術の中でね。まあ、そんなようなのばっかりなんだけど」
背景にあるのは向上心だ。森下は結果よりも内容を重視する。たとえ凡打でも思い描いた通りのスイングや打球が出たら、納得できる。しかし、一方で「H」ランプをともしても首をひねることも多い。ロッテ戦で架けた特大アーチ前の打席は、初球の真ん中低め直球を左翼席へ運んでいながら、次打席でフォームやスイングに微調整を加えていた。結果が出たから、全てを良しとしない。飽くなき探究心を持ち、こと打撃に向上の余地があると見るや失敗も恐れない。これこそ今季の進化の証でもある。
「いや、打てる気が全くしなくて。けど練習で打てるようにしないと、と思って。コンディション調整をちゃんとして、自分のフォーム、打ち方もめちゃ動画で見直した」
横浜の夜空に放った30本目の放物線にも満足はしていない。レギュラー選手になるために「結果」が必要な入団1、2年目の時なら1本の本塁打に頬を緩ませていた。それでも“突貫の打撃”は長続きしない。V戦線でもさらなる進化が期待される。今の森下は、その事を分かっているから、アーチを量産しているのだ。 (石崎 祥平)
▽5月30日の森下2打席連発 ロッテ戦(ZOZOマリン)2番・左翼で先発。初回の空振り三振のあと、「気分転換」で後輩の立石のバットに持ち替えた3回2死一塁、唐川の初球をライナーの軌道で左翼への勝ち越し13号2ラン。続く5回も、唐川から左中間の客席上段へ飛距離141メートルの特大14号ソロ。この日初回に14号先制ソロの佐藤輝に並ぶリーグトップに浮上し、自身初の2打席連続アーチをベンチで「(立石の)バット(のおかげ)だわ」と喜んだ。
○…DeNA戦の雨天中止が発表された直後、森下は木浪と談笑しながら報道陣の前に姿を現した。「完全にリフレッシュとまではいかないですけど、ちょっとゆっくりして、いい時間にしたいなと思います」。前日21日の同戦では「最低目標」に掲げたシーズン30号に到達。横浜出身の26歳は「家族とか友達とか8人を招待していたのでそこは残念です…」と話した。

