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 ◇セ・リーグ 阪神2―1ヤクルト(2026年8月19日 京セラドーム大阪)

 阪神・大山悠輔内野手(31)が、19日のヤクルト戦(京セラドーム)で2試合連続のサヨナラ打を放った。1―1同点の10回1死満塁の絶好機で値千金の左犠飛。前日18日同戦での自身4本目となるサヨナラ本塁打に続く殊勲の一打で熱戦に終止符を打った。佐藤輝明内野手(27)は1点劣勢の9回に右前へ同点適時打を放つなど主軸が躍動。DeNAに敗れた巨人とのゲーム差は今季最大の4に広がった。最短で20日に優勝マジック29が初点灯する。

 試合前の時点でリーグトップの7犠飛をマークする男にとっては簡単な仕事だったかもしれない。延長10回1死一、三塁。前を打つ佐藤輝が申告敬遠されても、ネクストバッターズサークルにいる大山の表情は何一つ変わらなかった。「僕勝負になるなと思っていた」――。1ボールからの2球目。右腕・星の147キロ内角直球を簡単に運んだ。

 「決めるつもりで打席に入った」

 本塁打にはならなくても、高く舞った左翼への飛球。長い滞空時間とともに大きくなっていく歓声を背に、三塁走者・近本のホームインを見届けた。真っ先に駆け寄ってきた元山の歓喜のウオーターシャワーを浴びると、顔をくしゃくしゃにさせた。昨年から森下、佐藤輝の後を任されることが増えても自身の仕事を貫くだけだ。「自分は“渋いな”と思われたい。華やかというよりは“いてくれたら安心する”という存在になりたい」。いぶし銀がチームを2夜連続サヨナラ勝ちに導き、球団では歴代10位となる通算688打点とした。

 試合前には1軍初昇格初スタメンだった谷端の気持ちも和らげていた。ルーキーはこう証言する。「試合前に大山さんからすごくアドバイスをもらった。何もわからない状態というよりは万全の準備をしていけた」。存在感を示すのはグラウンド上だけではない。この姿勢こそがチームの精神的支柱たるゆえんだろう。

 この男も忘れてはいけない。佐藤輝だ。1点ビハインドで迎えた9回無死三塁。カウント2―2からの5球目。広沢の外角チェンジアップを見逃さなかった。「しっかり強い打球を、(走者を本塁へ)還す打球を心がけた」。打球は前進守備の一、二塁間を鮮やかに破る同点の適時打となった。前日18日は1点ビハインドの9回1死から同点アーチ。2夜連続、土壇場で勝負強さを発揮した。

 20日の試合で巨人が敗れヤクルト戦に引き分け以上で優勝へのマジック29が点灯する。「とにかく勝つこと。そこが一番」と大山が話せば、佐藤輝も「明日も取れるように」と気を引き締めた。2リーグ制以降では球団初の連覇を目指す猛虎軍団。中心選手たちを筆頭に慢心なくVロードを歩んでいく。(石崎 祥平)

 ○…阪神は最短で20日に優勝へのマジックナンバーが初点灯する。条件は阪神がヤクルトに引き分け以上、巨人がDeNAに敗れた時点で「M29」が出る。

 ○…阪神が今季6度目のサヨナラ勝ち。2試合連続サヨナラ勝ちは24年7月7日DeNA戦、9日ヤクルト戦以来2年ぶり。同一カードでは17年9月9、10日のDeNA戦以来9年ぶり。

 ○…前日18日にサヨナラソロの大山がこの日もサヨナラ犠飛。阪神選手の2試合連続サヨナラ打は80年竹之内雅史、85年岡田彰布、15年福留孝介に続く11年ぶり4人目。