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過去にばかり囚われていては終わる

ルノーは現在、主力の『5』と『クリオ(日本名:ルーテシア)』の次世代モデルの開発を検討している。同社のファブリス・カンボリーブCEOは、「第一の目標」は既存のラインナップに「完全に新しいモデル」を追加することだと述べた。

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ルノーは近年、『4』や5、『トゥインゴ』といったレトロ調のEVに加え、クリオなどのハイブリッドモデルの拡充、そしてクラシックな車名を採用した一連の新型SUVを導入することで大きな注目を集めてきた。


ルノー5(左)とルノー・クリオ(右)

カンボリーブ氏は、レトロ調のモデルを今後さらに投入する可能性を否定しなかったものの、ラインナップをそれらで埋め尽くすことはないとし、「目的があればレトロ路線も取れますが、目的がなければ失敗するでしょう」と語った。

「ラインナップの3分の1はR5、R4、トゥインゴのような象徴的なモデル、3分の1はクリオやセニックのように象徴的ではないが人々の心に根付いているモデル、そして残りの3分の1はデザイナーに純粋に新しいものを提案させるべきです。過去にばかり囚われていては終わりです」

「現在の当社の第一目標は、完全に新しいモデルを市場に投入することです。R5やクリオといった過去の実績に頼る必要はないからです」

カンボリーブ氏はそれらの新型車の詳細は明かさなかったが、現在のラインナップに追加する余地はないと述べた。しかし、グローバルモデルを各地域に合わせて大幅にローカライズしていくという方針を指摘した。

未開拓のセグメントを先取りしたい

新型クリオはまだ欧州で発売されたばかりだが、カンボリーブ氏は「現在のクリオの次に何が来るのかを見極めること」を優先していると述べた。

製品サイクルを考慮すると、次世代のクリオが登場するのは2030年代半ば以降になる可能性が高い。


ルノー・クリオ(日本名:ルーテシア)

「欧州には、Bセグメントハッチバックの “ロー・ドライブ” (非SUV)という、いわば未開拓のサブセグメントが存在すると考えています。そこではクリオの後継車が必要であり、現在まさにその開発に取り組んでいるところです」

「わたし達はBセグメントハッチバックの潜在能力と、最適なサイズを掴もうとしています。現在のBセグメントハッチバックは全長4.1〜4.2mが妥当でしょう。SUVではなくハッチバックで、このニーズをどう満たすべきか? また、スポーティさ、実用性、汎用性など、どのようなタイプのクルマを目指すべきか? こうした点を、次世代クリオで先取りしようとしています」

次世代モデルはハイブリッドかEVに

次世代クリオの詳細について記者に問われると、カンボリーブ氏は「レトロなものであってはならない」と述べ、次のように説明した。

「クリオは物語を紡ぐ一種の “サーガ” 的なクルマであり、新しいクリオについてもその観点から考える必要があります。完全に電動化された世界に新しいクリオを無理に当てはめようとするべきではありません。現時点でお答えするには少し時期尚早です。内燃機関を搭載するかどうかはまだわかりません」


ルノー・クリオ(日本名:ルーテシア)

特筆すべきは、ルノーが開発中の次世代プラットフォームが、完全な電気駆動とレンジエクステンダーの両方のパワートレインに対応可能だという点だ。

「わたし達は2030年までに100%電動化を目指しており、そのうち50%をBEVとします。現在、BEVへの流れは当初よりも加速しています。つまり、現時点で答えるには少し早すぎるのですが、率直に言えば、(次世代クリオが登場する頃には)わたし達は完全電動化された世界にいることになるでしょう」

5が再び「ゲームチェンジャー」となる

カンボリーブ氏は5の次世代モデルを導入すると述べ、「5年後にR5を刷新するかどうかはわかりませんが、このクルマの魅力という点でゲームチェンジャーとなるようなものを作り出せるよう努力するつもりです」と付け加えた。

「わたし達は現在、R5の成功の秘訣を理解しようとしている段階にあります。というのも、『これと、これと、これが原因で成功した』と一概に言うのは容易ではないからです」


左からルノー4、5、トゥインゴ

ルノーはまもなく5に大規模なアップデートを実施する予定で、より高出力のモーターと大容量バッテリーを導入する。その開発の過程で、「車両のいくつかの弱点を特定した」という。

「良い点は、人々からフィードバックが寄せられる前にそれらの弱点を特定できたことです。開発チームは妥協することなくクルマについて考えることができたのです」

「重要なのは、すべての弱点を補おうとすることではなく、付加価値を生み出すことです。それは別のボディタイプかもしれませんし、別の楽しみを提供するものかもしれません。あるいは、ミニがポール・スミスと行っているような、第三者とのコラボレーションかもしれません。まだわかりません」

「R5の成功の鍵が何なのかを断言するのは難しいですが、あえて言うなら、最大の要因はわたし達が一切の妥協をしなかったことでしょう」

「社内外から『このクルマにはハイブリッドを搭載すべきだ』、『成功したいなら内燃機関を搭載しなければならない』という声があったにもかかわらず、わたし達がそれに耳を貸さなかったからです。しかし、弱点を修正しようとはしていません。むしろ、運転の楽しさとライフサイクルにおける付加価値を重視しているのです」