墓じまいしようとしたら知らない骨壺が! ※画像はイメージです(buritora/stock.adobe.com)

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先祖から引き継がれたお墓を取りやめることを「墓じまい」と呼んでいる。ただ墓じまいを実践した人は「これほど大変だとは思わなかった」と口をそろえて話しているようだ。

【画像】墓じまいをしないで実際に起こった問題

そんな墓じまいをしようと考えている50代男性のAさん。遠方への墓参りや清掃が負担になったのがその理由だ。

墓じまいのためには、親族への説明や菩提寺への連絡、改葬に必要な書類の作成、石材店への見積もり依頼など、多くの工程を完了させる必要がある。そのためAさんは数カ月間、週末のたびに墓じまいの準備や手配に追われていた。

その努力の結果、ついに墓石を撤去することが決定した。ところが墓石撤去の当日に、とんでもないトラブルに遭遇してしまう。なんとお墓のなかに、名前の記されていない古い骨壺が5つも発見されたのだ。そのいずれも、Aさんが存在を把握していなかったものだ。

慌てて親族や菩提寺に確認したものの、この遺骨が誰のものなのか分かる人はいなかった。その結果、改葬に必要な書類の作り直しや新しい納骨先で受け入れてもらえるかの確認など、Aさんの負担はさらに重くなるのだった。

このように、墓じまいをしようとして誰のものか分からない遺骨を見つけてしまった場合、どのように対応すればいいのだろうか。石材店を経営する林さんに聞いた。

―お墓のなかから誰のものか分からない遺骨を見つけたらどうしたらいいですか

古いお墓では、誰の遺骨が納められているのかを示す記録や情報が残っていないことがあります。お墓を開けてみると、事前に聞いていた数より多くの骨壺が見つかり、その中に誰の遺骨かわからないものが含まれているケースもあるのです。

想定外の遺骨が見つかった場合は、まず骨壺に名前や戒名などが記されていないかを確認し、親族や菩提寺に心当たりがないかを尋ねます。過去帳や位牌、戸籍などが手がかりになることもありますが、調べても身元を特定できないものも存在します。

すでに改葬許可を申請している場合は、追加で見つかった遺骨について、申請内容の変更や再申請が必要です。

遺骨の数が予定より多ければ、新しい納骨先に収まりきらず、契約や納骨方法の見直しを迫られるケースもあります。さらに、骨壺の入れ替え、遺骨の洗浄などで、追加の納骨料が発生します。

―調べても誰の遺骨か分からない場合、その遺骨の対処は誰がやるべきですか?

基本的には、現在のお墓の使用者や、墓じまいを進めている遺族が中心となって対応します。

誰の遺骨か分からない場合でも、勝手に処分したり移したりしてはいけません。まずは墓地の管理者や菩提寺に相談し、現在お墓がある市区町村へ、どのように手続きを進めればよいか確認します。

身元を調べても分からない遺骨は、自治体によっては氏名などを「不明」として改葬を申請できる場合があります。必要な書類や記入方法は自治体によって異なるため、遺骨を移す前に窓口へ相談してください。

改葬の許可が下りたら、石材店などに遺骨を取り出してもらい、新しい納骨先へ移します。

―Aさんは5つの骨壺を見つけましたが、この場合の追加費用はどれくらい発生しますか?

追加費用は、新しい納骨先の料金体系や受け入れ可能数、遺骨の状態によって変わります。

たとえば、永代供養料が遺骨1柱につき5万~30万円程度であれば、5柱で25万~150万円程度かかる計算です。また、洗浄や乾燥が必要な場合は、1柱につき2万~3万円程度、5柱では10万~15万円程度が目安です。

追加の骨壺が見つかった段階で、新しい納骨先と石材店に、納骨料、洗浄・乾燥、骨壺の入れ替えなどを含めた見積もりを出し直してもらう必要があります。

◆林孝光(はやし・たかみつ) 有限会社林石材店 代表
昭和14年創業、愛知県豊田市陣中町にある有限会社林石材店の3代目。墓石の建立や修繕、墓じまいなど、お墓に関する幅広い相談に応じている。墓じまいでは、墓石の撤去だけでなく、遺骨の確認や新しい納骨先への移動まで、遺族の気持ちに寄り添うことを信条としている。地域に根差した丁寧な仕事を続け、地元の人々からの信頼も厚い。

(よろず~ニュース特約ライター・夢書房)