夫から結婚を「人生最大の失敗」と言われた日から始まった新しい人生。50歳を目前に離婚を決断した女性がその先に見つけたものは?【書評】

【漫画】本編を読む
『人生最大の失敗』(野原広子/オーバーラップ)は、夫から「お前との結婚は人生最大の失敗だった」と言われた50代女性が離婚後の人生と向き合う姿を描いたコミックエッセイである。
主人公のエリコは、夫と娘と3人で専業主婦として暮らしてきた。決して理想的な夫婦ではなかったものの、これからもこの家族と一緒の生活が続いていくものと思っていた。しかしある日、夫が自分との結婚を「人生最大の失敗」と考えていたことを知る。積み重ねてきた歳月を否定されたような言葉に衝撃を受けたエリコは、子どもが成長するのを待ち、48歳で離婚という決断を下す。
その一方で、夫にも長年抱え続けてきた不満や葛藤があったことが見えてくる。エリコにも夫にもそれぞれの言い分があり、「どちらが悪い」と簡単には割り切れない。この複雑な状況が「結婚」について考えさせられる。
「人生最大の失敗」というタイトルとなっている言葉は、物語を読み進めるほどに重みを増していく。結婚したことが失敗だったのか。離婚したことが失敗だったのか。それとも他に原因があるのか。そんな問いを読み手に投げかけてくる。
人生100年時代といわれる今、50代は人生の終盤ではない。だが大きな選択をするにはまだ大きな勇気がいるだろう。本作に描かれる再出発と希望、そして迷いや後悔は、多くの同世代の胸に響くはずだ。今まさに夫婦関係に悩んでいる人はもちろん、人生の折り返し地点に立ったすべての人に手に取ってほしい作品である。
文=ヒルダ・フランクリン
