アウディのコンパクトSUVベストセラー、新型Q3に乗ってみて
初代モデルから続くコンパクトなボディサイズと高い実用性の絶妙なバランスを継承しつつ、今回の新型では全長を約4cm延長し、それを主にフロントセクションへ充てることで、よりスポーティで筋肉質なSUVプロポーションへと進化している。一方で室内空間のゆとりや取り回しのしやすさはそのまま維持されており、荷室容量も通常時で488リットル、後席スライド時にはクラスベンチマークとなる575リッターを確保。さらに後席を倒せば1400リッターまで拡大できるなどパッケージングの完成度は抜群だ。
シートの仕上がりも非常に良く、身体を面でしっかり支えてくれるため、1時間半の運転でも一切の疲労を感じさせない。さらに、同じパッケージをベースとしながらルーフラインをクーペライクに傾斜させたスタイリッシュなQ3スポーツバックもラインナップされている。
インテリアにおける最大の変革は、アウディブランドとして初めてギアセレクターをステアリングコラムに統合したインテグレーテッド・スイッチモジュールの採用である。人間工学に基づき、ドライバーが手を大きく動かすことなく自然な姿勢でシフト操作を行えるよう設計されている。従来のセンターコンソールからシフトレバーが消えたことで、機能的な収納スペースがさらにゆったりと確保された。
インフォテイメント面では、上位グレードのデジタルステージをコンパクトクラス向けに最適化し、11.9インチのバーチャルコックピットプラスと12.8インチのMMIパノラマディスプレイをドライバー中心に配置した。画面デザインは新しい直感的なタイルインターフェースへ刷新され、さらには専用アプリストアの搭載により、スマートフォンを繋がずともMMI上で直接Amazon MusicやSpotify、YouTube、DAZNなどのサードパーティアプリをストリーミング再生できる環境が整っている。夜間の演出としては、ドアパネルに片側300箇所のレーザーカットを施して裏側から光を写し出す立体的なマルチカラー・アンビエントライトを採用し、30色からカスタマイズ可能な照明がディスプレイ下部のライン照明と連動して、浮遊感のある先進的な室内空間を作り出している。
今回試乗したのはアウディQ3スポーツバックTFSIクワトロ。シンプルなガソリンエンジン(ICE)モデルだったが、これが期待通りに好印象だった。電動システムがないぶん重さが削ぎ落とされており、そのおかげで鼻先が圧倒的に軽く、アクセル操作に対する反応が素直で扱いやすい。この爽快な走りを支える足回りには新開発のツーバルブ式ダンパーコントロールサスペンションが投入されており、前後方向の揺れに対しては1秒間に最大1000回、横方向に対しては最大200回のレギュレーションプロセスを行うことで、ボディの傾きや無駄な動きを徹底的に抑制している。さらに操舵角が大きくなるにつれてダイレクトな応答へ変化するプログレッシブステアリングの採用により、荒れた路面をいなしながら俊敏で正確なハンドリングを発揮する。なお、パワートレインにはこの1.5リッター前輪駆動モデルのほか、高いトラクション性と軽快な加速・静粛性を兼ね備えた2.0リッターガソリンクワトロモデルも用意されている。

