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従来、ブルーカラーと呼ばれる現場仕事は、「きつい・危険・汚い」の“3K”を象徴する職種として敬遠されがちだった。しかし、AI時代の到来によってそのイメージは覆り、「人にしかできない仕事」として現場職を見直す動きが世界的に広がり始めた。アメリカでは、経理職から配管工へ転職して収入が大幅に伸びた事例などが話題となり、「ブルーカラービリオネア」という言葉も生まれている。

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こうした変化は日本も例外ではない。象徴的なのがタクシー業界だ。厚生労働省の賃金統計では、昨年のタクシー運転者の給与は高い伸び率を記録し、全産業平均を大きく上回った。背景にはインバウンド需要の回復に加え、配車アプリの普及がある。乗車機会が増えただけでなく、目的地の設定や決済までアプリで完結するケースも増加。語学力に自信がなくても外国人客へ対応しやすい環境が整った。

かつては他業種からの転職者が中心だったが、近年は大手事業者を中心に新卒社員を直接採用して育成する方針へ転換する動きが加速しており、他業種の新卒社員よりも稼げる職種として注目度が高まっている。

建設業界でも変化が目立つ。外部企業任せだった職人確保のやり方を見直し、新卒社員を直接採用・育成する方針へ転換。100人を超える新卒社員を迎え入れ、将来的にはグループ全体で大規模な直接雇用を目指す企業も。給与制度の見直しに加え、年間休日の拡充や育児休業取得の推進など、長く定着してもらうための投資にも力を注いでいる。

変革は水産業にも及ぶ。漁業従事者の減少が続く中、宮城県石巻市では若手漁師らが「フィッシャーマン・ジャパン」を立ち上げ、「かっこいい・稼げる・革新的」という3Kを掲げた。学生向けの体験プログラムでは、養殖作業だけでなく漁師との共同生活も経験。現場の実情や仕事の魅力を肌で感じてもらうことで、水産業への関心を高める取り組みが続く。研修をきっかけに漁業の道へ進む若者も現れ、現場での交流が新たな担い手の育成につながっている。

もちろん、現場職が誰にでも向いている仕事というわけではない。体力的な負担や危険を伴う職種もあり、経験を積まなければ収入が伸びにくい仕事も少なくない。一方で、職場環境の改善は着実に進み、従来の「きつい・危険・汚い」という3Kのイメージは変わり始めた。

近年では、就職先を選ぶ際に「給与」「休日」「希望」の新3Kを重視する若者が増えたことで、ブルーカラーと呼ばれてきた現場仕事は消極的な選択肢ではなく、「将来を見据えた魅力的な仕事」へと変わりつつある。働き方の価値観が多様化する中、現場で培われる技術や経験は、これからの時代を支える重要なキャリアの一つとなるだろう。