JRT四国放送

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秋田県で行われた文化部のインターハイ、全国高校総合文化祭の演劇部門で、城南高校が見事、最優秀賞を獲得、日本一に輝きましました。

出場校の中で最も少ないわずか3人でつかんだ栄冠。

メンバーを取材しました。

7月26日から秋田県で行われた全国高校総合文化祭、通称‟高文祭”。

吹奏楽や写真、将棋など文科系の部活がその技を競います。

いわば文化部のインターハイ、高校生による国内最大規模の文化芸術の祭典です。

中でも、花形部門の一つが「演劇」です。

その演劇部門で、徳島の城南高校が見事「最優秀賞」に輝きました。

(城南高校 演劇部・礒部心結 部長〈18〉)
「聞き間違えかなと、戸惑った」

(城南高校 演劇部・村端七優さん〈18〉)
「何のこと言ってるんだろうみたいな、え、本当に?という気持ち」

(城南高校 演劇部・井内淳仁さん〈16〉)
「自分はもしかしたら、あるかもなくらいに思ってたんで、それでもビックリしました」

全国で一番にしては控えめな感想を語る部長の礒部心結さん、脚本を手掛けた村端七優さん、そして2年生の井内淳仁さん。

なんと、高文際に出場したのはこのたった3人。

衣装や小道具、大道具が詰め込まれ、空調のダクトが部屋の大半を占拠するこの部室で、3人は演劇への思いを語り合い、同じ時間を過ごしてきました。

高文祭で3人が演じた舞台のタイトルは「空席」。

物語は、卒業式に出られなかった生徒のために2度目の卒業式が開かれる、といったところから始まります。

式の前、教室で出会った3人の生徒が、高校生活の後悔や大人になることへの不安を語り合います。

そんな3人の姿を通じて戸惑いながらも、あすへの一歩を踏み出そうとする高校生たちの希望と葛藤を描いています。

(城南高校演劇部・村端七優さん〈18〉)
「中学校の友達が卒業式に行けなくて、学校の先生が来れなかった人を呼んで、2回目の卒業式をしたという話をしてて、すごくいい話だなと思って」

脚本の村端さんは、3人の個性を生かしながらストーリーを練り上げ、設定やセリフを作り上げていったといいます。

(城南高校演劇部・村端七優さん〈18〉)
「(役)粟飯原みたいにコロナで来れなかったり、林みたいにそもそも普通の学校生活も来れなかったとか、内田みたいに病気で来れなかったとか、いろんな事情がある子が書きたくて」

2025年4月から書き始め何度も修正を重ねました。

決して楽な作業ではなかったけれど、直すごとに濃密な会話が生まれ、3人だけの青春が出来上がっていきました。

部長の礒部さんは、高文祭という大舞台で、高校生活最高の演技ができたと話します。

(城南高校 演劇部・礒部心結 部長〈18〉)
「卒業証書をもらうシーンで、自分がもらってから何か一言って、(役)内田さんから言われるシーンなんですけど、その時に、『もう俺は大人になるんやなって思った』っていうシーンがあって」
「その後の、『2人はまだ学生やけど、おれは県外で1人で働いて、もう立派な大人やん』っていうセリフがあったんですけど、そこが一番、粟飯原くんになれたというか、礒部心結としての人格は完全になく、粟飯原りくという、その人物、そのものになれたような気がして、すごく全国大会で泣きそうになったシーンだって。そこの瞬間が、高校演劇やっててよかった」

就職という道を選ばざるを得なかった粟飯原。

進学する2人を羨む一方、自らの運命を呪うことなく、前へ進もうとする役柄を礒部さんは見事に演じ切りました。

(演劇部を指導する田上二郎さん)
「不器用だ、不器用だ、下手だ、下手だと言ってきましたけど、逆に器用な演技者にはできないような自分自身として、役に近づくということが出来ていたと思います」
「等身大の自分自身ではまるような役柄を書き込んで、そこに向けて、半年以上作り込んで、この子たちにしかできないような芝居を完成させてなと思っています」

審査員や観客からは「言葉や動作に嘘がない」「高校生が書いた脚本とは思えない」と、絶賛ともいえる評価を受けました。

高文祭終了後、3年生2人は受験に専念し、これからは2年生の井内さんが下級生たちを引っ張っていきます。

(城南高校 演劇部・井内淳仁さん)
「怖いですけど、ガンバって、クオリティを落とさないように頑張りたいと思います」

舞台の上の物語には幕が下りたけれど、3人の物語はこれからが本番です。

全国高校総合文化祭で見事、最優秀賞に輝いた、城南高校演劇部をご紹介しました。