シーズン2も好調の『VIVANT』 電波ジャックで見えた座長・堺雅人の“番宣力” どんなときも低姿勢、番組のテイストや出演者のノリに合わせて見事に対応
注目の第2シーズンがスタートした『VIVANT』。出演者たちがプロモーションでさまざまなメディアに登場するなかで垣間見えた、主演・堺雅人の人間力について、放送作家でコラムニストの山田美保子さんがつづる。
【写真】『VIVANT』主要キャストの堺雅人や阿部寛、二宮和也、松坂桃李などの集合写真。他、新キャストのハリウッド女優・藤本ルナや花岡すみれ、声優の鬼頭明里なども
番組のテイストや出演者のノリに都度、合わせて対応する
7月26日に放送された日曜劇場『VIVANT』(TBS系)の第11話(第2シーズン初回)は、平均世帯視聴率18.8%、平均個人視聴率12.1%(ビデオリサーチ調べ・関東地区)という近年なかなか見ることのできない桁違いの高視聴率。
さらに民放公式テレビ配信サービス「TVer」は8月2日、第11話の再生数が配信開始後7日間で786万回を超え、7月31日に達成した全番組における単一エピソードのTVer再生数歴代最高記録を更新したと発表したのです。
近年はテレビの見方が変わってきているのは厳然たる事実ですが、世帯視聴率の高低や、再生数のみで作品が評価されてしまうことには疑問がありました。
でも『VIVANT』は、双方でぶっちぎりの第1位。さすがです。撮影期間約1年、海外ロケは2か月半という映画並みの壮大なスケール。主演の堺雅人さん(52才)をはじめメインキャストの皆さんは総重量で20kgはあったという台本と取り組み、堺さんは9か国もの外国語を習得。阿部寛さん(62才)も5か国語を頭に入れて各国の俳優さんと対峙したそうです。
こうしたサイド情報を耳にするにつけ、視聴者の皆さんの期待値はどんどん高まっていき、第1シーズンでちりばめられた伏線をリアルタイムで回収し、Xで分かち合いたいという思いでテレビの前から離れなかったかたたちの数がそのまま視聴率と再生数に反映されたのです。
第11話放送の1時間前にスタートした『VIVANT初回直前生放送SP 堺×阿部×二宮×松坂が集結!今からでも間に合うSPダイジェスト★』からご覧になったかたも多いでしょう。
堺さん、阿部さんに加えて二宮和也さん(43才)、松坂桃李さん(37才)、竜星涼さん(33才)、富栄ドラムさん(34才)、そして迫田孝也さん(え? 生きてるの?)が勢揃いし、MCは『ラヴィット!』の麒麟・川島明さん(47才)と田村真子アナウンサー(30才)。さらに『VIVANT』ファン代表として長嶋一茂さん(60才)とチョコレートプラネットのお二人、諸事情で第1シーズンをまったく見ていなかったという郄木菜那さん(34才)を揃え、あおりにあおったのです。
日頃、『ラヴィット!』を見ているような子供さんや若きパパママたちからお笑いファンの皆さん、F3・M3層(50才以上の女性と男性)の数字をとれる一茂さんと、老若男女にアピールできる見事なキャスティング。TBSの宣伝部とバラエティーの現場の連携、ドラマの現場との風通しのよさが垣間見えたものです。
宣伝といえば、7月24日からいわゆる電波ジャックが始まって、放送前日、当日で計13本もの情報番組やニュース、バラエティーなどに出演した座長の堺さんの"番宣力"も桁外れの数字を生み出したゆえんです。
すばらしいのは、どの番組でも、「お邪魔します」「お願いします」という腰の低さで、番組のテイストや出演者のノリに都度、合わせて対応してくださること。
26日放送の『サンデージャポン』では、小日向アツシジャーナリストと『VIVANT』に出演している小日向文世さん(72才)が親戚関係であることを誰よりも驚き、『バナナマンのせっかくグルメ‼』では濱田岳さん(38才)と共に無心に食べまくり。第11話終了後に放送された『日曜日の初耳学』の90分スペシャルの「インタビュアー林修」では、歴史学者の磯田道史さんを中心とした歴史好きの集まり「磯田会」で一緒の杏さん(40才)とのエピソードを明かされていました。
「うなずき方やタイミングが勉強になりました」
なかでも私が感動したのは堺さんが阿部さん、ドラムさんと出演した25日放送の『王様のブランチ』。日頃からドラマの番宣に慣れていて、MCの佐藤栞里さん(36才)の感想コメントが毎回すばらしいことでも知られている番組です。堺さんは以前にインタビューを担当し、ひな壇に座っていたリポーターの小林麗菜さん(31才)を2度も"小林さん"呼びし、あえて初回を見ずにがまんしている"ブランチファミリー"の皆さんに対し、「詳しいことは全部、小林さんに聞いてください」と盛り立て、コーナーは終始ほのぼのとした雰囲気に。ドラムさんがスマホ音声アプリに「栞里ちゃん、超かわいい、超かわいい」を仕込んで、それを3度も公開できたのも堺さんの座長力により成し得た結果でしょう。
なんか、こんな場面を前にも見たなぁと思ったら、2015年4月期の堺さん主演のドラマ『Dr.倫太郎』(日本テレビ系)に私がコメンテーター役で出させていただいたときのことでした。
短いシーンの撮影後、「ぼくが隣で話しているときのうなずき方やタイミングがすばらしくて勉強になりました」と言ってくださった堺さん。さらに初回放送当日の電波ジャックの際、偶然、『情報ライブ ミヤネ屋』の出演日で、『〜倫太郎』の台本をカメラに向けていた私に、「ありがとうございます」と声高らかに3回も言ってくださったのです。そのすばらしいお人柄に心をつかまれたことは言うまでもありません。
プライベートでも家事や育児の分担をちゃんとされていることで有名ですし、そう言えば、2016年の大河ドラマ『真田丸』(NHK)の撮影中、妻の菅野美穂さん(48才)がスーパーで「真田丸りんご」をケース買いしているレジの後ろに私が並んだことも思い出しました。後で知ったことですが、それは同作の打ち上げの日だったんです。
きっと『VIVANT』の撮影も夫唱婦随で乗り越えられたのだと思います。作品力に加え、堺雅人さんの人間力に大拍手を送りつつ、12月までの2クール、心して拝見するつもりです。
構成/山田美保子
『踊る!さんま御殿!!』(日本テレビ系)などを手がける放送作家。コメンテーターとして『ドデスカ+』(メ〜テレ)、『1周回って知らない話』(日本テレビ系)、『サンデージャポン』(TBS系)に出演中。CM各賞の審査員も務める。
※女性セブン2026年8月20・27日号
