60代で時計店から転身…シフォンケーキが名物の70代夫婦が営む喫茶店 新たな挑戦に「年齢は関係ない」
岐阜市の住宅街にある小さな喫茶店。その名物は、ふわふわ食感のシフォンケーキです。店を営むのは、60代で時計店から喫茶店へと転身した夫婦。趣味から作り始めたシフォンケーキは、いまや多くの常連客に愛される店の看板メニューになっています。
■ふわふわ食感のシフォンケーキ
岐阜駅から徒歩約15分の住宅街にある「のむさんのシフォンケーキ」。2016年にオープンした小さな喫茶店で、近所の常連客を中心に、店内はいつもにぎわっています。
客:
「シフォンケーキは、あっさりふわふわで本当においしいです」
別の客:
「おいしいです。いつもここばかりです」
名物のシフォンケーキは、触れるだけで崩れてしまいそうなほどやわらかく、口に運ぶと、ふんわり、しっとりとした食感が広がります。
喫茶店を営むのは、野村貴敏さん(76)と妻の節子さん(73)。10年前に、この店を開きました。
■ふわふわ食感の秘密
朝、貴敏さんがシフォンケーキ作りに取り掛かります。まずは卵黄と砂糖などを混ぜ合わせます。小麦粉をこすのは目の細かいざる。空気を含ませることで、焼き上がりがふんわりするといいます。
小麦粉を合わせる際も、繊細なさじ加減が求められる手作業。驚くほどふわふわの食感を生み出すため、手間を惜しみません。
一番のポイントは卵白だと貴敏さんはいいます。卵白で作るメレンゲにたっぷりと空気を含ませ、生地と合わせる工程も手作業。理想のなめらかさを感触で確かめながら混ぜ合わせます。
型に流し込んだ後は、余分な気泡を抜いてオーブンへ。170℃で30分、水分が必要以上に抜けないように、高温・短時間で焼き上げます。
シフォンケーキがふっくらと焼き上がりました。
貴敏さん:
「見える面が欠けたりするので、作るときより外すときが大切」
自慢のシフォンケーキが完成。「シフォンケーキホール(プレーン)」(1100円)はテイクアウト限定です。
一番人気のプレーンのほか、マンゴーや紅茶など日替わりで4種類ほどが並びます。
どれも保存料や添加物を加えず、素材本来のおいしさを大切にしています。
■ドリンク代のみで味わえるモーニングセット
一方、妻の節子さんはモーニングの準備。この日の小鉢は、インゲンと新タマネギの麦みそ和えです。
お昼12時半までは、ドリンク代だけでシフォンケーキが付く「モーニングセット」を楽しめます。
節子さん:
「毎日来るお客さんがいるので、品は毎日変えます。総菜の小鉢が『他にはない』って言ってもらえるので、やめられないです」
午前8時半。開店と同時に次々に客が訪れ、たちまち店内は満席に。お目当てはモーニングセットです。
客:
「ほわんとした感じで、やわらかいです」
別の客:
「一般的なケーキはあまり好きではないけど、ここのケーキはおいしい」
■趣味から始まった第二の人生
もともと貴敏さんは、父から受け継いだ時計店の店主でした。
貴敏さん:
「シフォンケーキは趣味から始まりました」
趣味の料理の延長で作り始めたシフォンケーキを、時計店を訪れたお客さんに振る舞っていると、そのおいしさが評判になりました。
節子さん:
「皆さんがおいしいって言うから、やってみてダメならいつでもやめればいいから、販売してみたらと伝えました」
そして、20年前の2006年、時計店の一角にテイクアウト専門店を開店。さらに、10年前の2016年、貴敏さんが66歳のときに一念発起。時計店をたたみ、今の喫茶店をオープンしました。
節子さん:
「年齢は関係ない。やりたいと思った時にやるのが一番いい。やらないとわからない」
趣味で作りはじめたシフォンケーキは、いまでは多くの人に愛される味になりました。
昼12時半でモーニングは終了。ここからはカフェタイムです。ドリンクを注文すると、シフォンケーキ2切れがサービスで付いてきます。
ほかにも、「厚焼きたまごサンド」(880円)なども人気です。
夫婦で歩み始めた新たな人生。振り返れば、あっという間の10年でした。
節子さん:
「今までと同じことを長く続けるのが一番いい」
夫婦が心を込めて焼き続けるシフォンケーキは、これからも地域のみなさんに笑顔を届けます。
2026年7月2日放送
