広島カープの小園海斗内野手

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 6日現在、セ・リーグ最下位に低迷するものの、3位・ヤクルトとは3ゲーム差。逆転でのCS進出を狙う広島だが、主力の小園海斗内野手(26)の状態が上がってこないのが気になる。昨年は首位打者、最高出塁率に輝いたが、今年はここまで打率が2割5分程度で、好調を維持できない。カープでは5月、元所属選手の羽月隆太郎氏が「ゾンビたばこ」と呼ばれる指定薬物のエトミデートを使用したとして有罪判決を受けた。さらには7月、羽月氏に薬物を譲渡したなどとして逮捕・起訴された会社役員と共に小園、矢野雅哉内野手、田村俊介外野手が写る写真が「SmartFLASH」(週刊誌『FLASH』のウェブ版)に掲載され、大きな波紋を呼んだ。その中で小園のみが1軍でプレーを続けていることから、一部のファンからは「球団フロントは本気でこの問題に取り組む気がないのか」と疑問の声も。勝負の夏場でこのまま低空飛行は続くようだと、レギュラー剥奪の危機が出てきた。

広島カープの小園海斗内野手

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「満席になってください」

 4日の巨人戦(マツダ)で印象的な場面があった。同点で迎えた延長12回2死で、サンドロ・ファビアンが難敵のライデル・マルティネスの高めに浮いたフォークを中堅スタンドに運ぶ来日初のサヨナラ本塁打を放った。初回に3点を先制されたが、2回以降は8投手の継投策で無失点にしのぎ、劣勢をひっくり返す劇的な試合展開だったが、マツダのスタンドは2万4226人の観衆にとどまった。試合後にお立ち台に上がったファビアンは空席が目立つスタンドを見上げ、「明日も応援よろしくお願いします。今日はあまり人が入っていませんでした。満席になってください」とファンに呼び掛けた。

ファンは納得できない

 広島を取材するスポーツ紙記者は複雑な表情を浮かべる。

「16年からリーグ3連覇を飾った時はスタンドが真っ赤に染まって連日満員御礼だったので、現状は寂しいですよね。客足が遠のいてしまった理由は低迷期が長年続いているからだけではありません。現在の広島はファンにとって魅力的なチームなのかという根本的な問題を抱えている。以前から国歌斉唱の時に笑っている選手がいたり、負けている試合で選手同士が笑顔で話していたり、緊張感や危機感が感じられなかった」

 ファンの心が離れた決定的な出来事が、ゾンビたばこの一件である。

「矢野が売人とツーショットで写っている写真のほかに、小園と田村も売人と共に写っている写真が週刊誌に掲載された。小園は売人に肩を組まれ、笑顔を見せていました。が、2軍だった田村はともかく、矢野は3軍降格を命じられたのに対して小園は不問のままとなっている。球団は記者会見を開いて説明しないので、多くのファンは納得できないでしょう」

マネジメント能力の甘さ

 他球団の元編成担当も「矢野を登録抹消したタイミングで小園のファーム降格を決断すべきだった」と指摘する。

「矢野は売人とツーショットで写っており、抹消後ではありますが、その後に広島県警の家宅捜索を受けている。対する小園は売人と集団で撮影された写真で確認されたのみという違いがありますが、羽月氏は初公判で周囲にもエトミデートを使用していた広島の選手がいたことを証言している。その中でああいった写真が出てくれば、違法薬物に手を染めていないとしても小園に疑いの目が向けられるのは当然です。本人と球団フロントが記者会見を開いて潔白を証明したならともかく、そういった動きもない。球団のマネジメント能力の甘さを感じます」

源田との守備力の差が…

 小園が「チームの顔」であることは間違いないが、今年のパフォーマンスを見てレギュラーにふさわしい働きをしているかと言えば、意見が分かれる。初球からどんどんアプローチを仕掛ける積極的な打撃が持ち味である反面、ミスショットや空振りが目立ち打率と共に出塁率が上がってこない。6日現在、打率は.251とセ・リーグの10傑にも入れず、出塁率も.305に留まる。主に遊撃、三塁を守るが守備能力が高いとも言えない。今年3月のWBCで侍ジャパンに選出されたが、遊撃のレギュラー扱いで試合に出たのは源田壮亮(西武)だった。

「源田と小園が練習で一緒にノックを受けている姿を見ると、守備力の差が一目瞭然でした。国際試合では1点をいかに防ぐかが重要になってくるので、小園の守備力では厳しい。昨オフの契約更改でメジャーに将来挑戦したい意向を球団に伝えたことが報じられましたが、米国のスカウトは『あの守備力では遊撃を任せられない。打撃も長打を量産できるタイプでないし、マイナー契約が現実的』とシビアな見方を示していました」(侍ジャパンを取材するスポーツ紙記者)

思い切って若手起用も

 もっとも、広島のチーム事情を考えると、小園を脅かす選手がなかなかいないのが現実だ。小園を三塁に押しのける形で、24年に遊撃で自身初のゴールデングラブ賞のタイトルを受賞した矢野も、前述のように捜査の渦中にあり、レギュラー争いをするどころの状況ではない。

「今の広島はイメージが悪すぎる。思い切って若手を起用して、チームを刷新してもいいと思いますけどね。大卒ルーキーのドラフト3位の勝田成は俊足を生かした広い守備範囲で遊撃として大きな可能性を抱かせる。高卒1年目のドラフト6位・西川篤夢もファームで鍛錬の期間が必要ですが、走攻守3拍子そろったスケールの大きい遊撃手で将来が楽しみです。小園を聖域化する必要はないですし、数年かかるかもしれませんが、チーム再建に向けて若手を我慢強く育てた方がいい」(前出の他球団の元編成担当)

 まだ2ケタの借金を背負っているが、3位・ヤクルトの大失速により逆転でCSに進出する可能性が出てきた。ただ、今のスタンドの雰囲気を見ると3位に入っても観客が急増することが想像しにくい。魅力あるチーム作りに向け、現場だけでなく球団フロントが足元を見つめ直す必要がある。

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デイリー新潮編集部