「ライブハウスはジジイだらけ」問題のリアル「病院と提携してファンの健康を管理したい」バンドマンが明かす本音
《ライブハウスはジジイだらけ》
7月22日、あるユーザーがXでつぶやいた、そんな投稿に論争が起こっている。
「ライブ好きと思われるこのユーザーは、『ライブハウスに中高年男性が多すぎ』『若いファンが近寄れなくっている』といった他人のポストを見て自らこのように投稿したとのことです。確かに誰のライブを観に行ってもジジイばかりだし、ジジイを批判するのも大いに結構とした一方、そういったジジイを排除せずに若いファンを増やしていくことはできないのかと問題提起しました」
この投稿をきっかけにXでは大論争が勃発した。
《じじいがいるから若い人が来ないんじゃなくて、若い人が来ないからじじいが目立つんだと思う》
《それが原因でファン層が広がらないならしょせんはその程度のアーティストって事。本当に魅力ある見に行きたくなるアーティストなら関係なく行くだろと思ってしまう》
《ジジイしかライブ会場にいないのに、そのジジイがライブに来なくなったら、若い子来る前にそいつら解散じゃね?》
このように様々な意見が飛び交っている。インディーズからメジャーまで、ライブシーンに精通する音楽業界関係者が語る。
「厳密にいえば、ライブハウスに集うのは40代や50代ばかりではありません。若くて最先端の音楽をやっているバンドのライブに行けば10代、20代も多いですし、私が先日訪れた、メンバーが20代の男性ロックバンドのワンマンライブでは男女比率は半々で、ファン層は20代、30代がメインでした。つまり、客層はバンドやアーティストによるのです。しかしながら、日本の人口ピラミッドを考えると、人口の多い団塊ジュニア世代(40代や50代)が多くなってしまうのも必然です。
実際、客層の高齢化は、何年も業界の課題とされてきました。特に若い女性がやっているガールズバンドのライブなどでは、最前列が常連のオジサンたちで占められている光景も珍しくありません。言い方はよくないですが、お世辞にもイケているとは言い難い、いい歳したオジサンたちがガールズバンドのライブでモッシュだのリフトだのしている姿を見ると、『この光景を若いファンが見たらどう思うのか? 若い新規ファンはとても入れないよな』と思ってしまうのも事実です」
こうした現状について、アーティスト側はどう思っているのか? 某ガールズバンドのメンバーに話を聞いたところ、こんな答えが返ってきた。彼女たちは1万人規模のホールでライブを行っている中堅バンドである。
「私のバンドのファンも、団塊ジュニア世代からそれ以上の中高年の方々が多いです。全体の8割はこの年代の方が占めています。おっしゃるように、この年代のファンの方々は子育てが終わった方が多く、足繁くライブに通ってくださいますし、CDはもちろん、物販も多く買っていただけています。SNSで宣伝を拡散してくれるのも彼ら。私たちの活動(いわば生活)を支えてくれている方々なので、本当に心から感謝しています。彼らがいなければ今の私たちはありません。
ただ、一方で不安になることもあります。10年後、20年後、多くのファンは高齢者になります。そうなったときに私たちを応援し続けてくれるのか? ライブに来てくれるのか? 老後となれば使えるお金が少なくなる方もいらっしゃるはずですし、体調を崩されてしまう方もいると思う。それとともに、私たちの活動も縮小していってしまうのではないかと不安に駆られるときもあります。
もちろん、私たちなりに若い新規のファンを取り込む努力はしていますが、あまり打つ手がないのも事実です。10代、20代は少子化の影響で人口が減っているので、それを私たちの力で変えることは難しい。そう考えると、今の中高年の世代のファンの方々に末永く健康でいただくしかないんですよ。もう、どこかの病院と提携してファンの健康を管理したいくらいです(笑)」
少子高齢化が叫ばれて久しい日本。その影響は確実に音楽シーンにも及んでいる。
