【徹底解説】高市首相が広島でどう「非核三原則」言及?現状にとどめ将来は明言せず 著書では「邪魔になる」と主張
高市首相は、広島・原爆の日の式典で、非核三原則について「堅持しており」と述べました。しかし、過去には見直しに前向きな姿勢も示しており、年末に予定される安全保障関連3文書の改定に向け、今後の議論の行方が注目されます。政治部官邸キャップの矢岡亮一郎が解説します。
■高市首相は「堅持しております」と現在形で答え、現状の説明以上の言及はなし

6日、広島で開かれた記者会見で、高市首相は記者から非核三原則について「将来にわたって堅持するのか」や「見直す考えは」といった今後に関する質問が何度も出ましたが、一貫して「堅持しております」と現在形で答え、現状の説明以上の言及はありませんでした。
この点について、首相周辺は「非核三原則の堅持という政府方針は踏襲している。言葉通りで、特に意図はない」と話していますが、将来については曖昧にして見直しの余地を残したという指摘も出ています。
また、実際に、高市首相が同日、面会した被爆者団体からの要望書には、「見直し論が取り沙汰されている。私たちの願いに逆行し、許すわけにいかない」とも書かれていました。
■高市首相の著書「『非核三原則を堅持する』の文言が邪魔になることを懸念」

見直しが警戒される背景には、高市首相が首相になる前に出版した著書での記述があります。著書の中では「『非核三原則を堅持する』の文言が邪魔になることを懸念していました」と書かれています。
その理由として、三原則の3つ目である「持ち込ませず」が、現状アメリカの核抑止に頼らざるを得ない中で「現実的ではない」と指摘しています。そして、この三原則にこだわるあまり、国民の命を守れないことも想定されるため「邪魔になる」と、総理になる前に主張していました。
■2022年の安保3文書改定時 「非核三原則を堅持する」の文言削除を要求

非核三原則が見直される可能性は指摘されており、連立パートナーの日本維新の会もまた見直しを主張しています。見直しのタイミングとして想定されるのが、年末に予定されている安全保障関連3文書の改定です。
実は、高市首相は著書の中で、前回の安保3文書の改定時、2022年の岸田政権の時に「非核三原則を堅持する」という文言の削除を求めたと明かしています。当時、高市氏は岸田政権で経済安全保障担当大臣を務めており、「閣議決定の直前まで抵抗していた」とも記しています。
■小泉防衛相「タブーなく議論し、進めなければならない」と見直し示唆

最近では、小泉防衛大臣が日本の核政策について「タブーなく議論し、進めなければならない」と発言するなど、三原則の見直しを示唆するような動きも出ています。
「非核三原則」は、日本が世界で唯一の戦争被爆国として守り続けてきた「戦争の教訓」とも言えるものです。見直しを議論するにしても、受け継いできた重い責任のもとでの慎重な議論が求められます。
