「髪の毛が抜け、寝たきりに」痩せ薬「マンジャロ」の恐ろしい副作用、それでも止められない20代女性たちの本音

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糖尿病患者のための薬を注射して減量する―そんな危険なダイエットが若い女性の間で流行している。一体何が彼女たちを駆り立てるのか。

【前編を読む】痩せ薬「マンジャロ」で失神したセクシー女優…「ガリガリ体型」になっても依存してしまう理由

アイドルのようにガリガリになりたい」

都内のIT企業で働く27歳のAさんは、軽い気持ちでマンジャロを使い始めた。きっかけは、同僚の女性が、マンジャロで急激に痩せたことだった。

「一度でいいからK−POPアイドルみたいにガリガリになりたかったんです」(Aさん)

全国最安値のクリニックを検索し、オンライン診療を受け、マンジャロを処方された。

美容整形での脂肪吸引は10万円以上しますから、それに比べればマンジャロは安いと思いました」(同前)

効果はすぐに現れた。普段一度の食事で2人前ほど平らげていた食欲が消え、1ヵ月で3.5kgも落ちた。飲み会のたびに10杯ほど飲んでいた大好きな酒も、体が受け付けなくなっていった。

なぜ、そこまでして痩せたいのか。その理由を語ってくれたのは、都内に住む20代ダンサー、Bさんだ。

「同性からの称賛」が美への欲求を加速させる

彼女もまたマンジャロで10kg以上も減量したという。しかし、髪の毛が抜け落ち、頬がこけ、老けた印象に。それを隠すため、顔にヒアルロン酸を注入してまでマンジャロを使い続けた。

その理由を、彼女はこう吐露する。

「可愛くない自分でいることが、不安で仕方ないんです。だから薬の力を借りてでも痩せる。ただの自己満足なんですよね」

その自己満足を支え、さらに加速させるのが、同性からの称賛なのだという。

「男性からいくら『可愛い』と褒められても、『それって下心でしょ?』と思ってしまう。でも女の子の『可愛い』は、本音の評価。だから、女性に褒められると安心するんです。逆に褒めてもらえないと不安になり、どんどんおカネをつぎ込むことになる」

SNSが、こうした心理に拍車をかける。タイムラインに「ブス」「デブ」と、他人の容姿を叩く言葉が流れてくるたび、「私も言われるのではないか」と自分の輪郭を、二の腕の肉づきを、確かめてしまう。他人に向けられた言葉は、いつしか自分への採点にすり替わっていく。

他人に認められるたび安心し、「もっとキレイになりたい」という欲求は、とどまることを知らず膨らんでいく。

そして、そんな自意識が行き着いた先に、極度の依存状態に陥ったのが、セクシー女優の百合川みおりさんだ。

栄養失調で倒れてもやめられない

彼女は最初、週1回2.5mgの投与から始めた。体重は1ヵ月で2〜3kg落ちたものの、物足りず、薬を5mgに増量。その結果、体重は劇的に落ちた。

しかし、その代償として、副作用のめまいが常につきまとい、休日は寝たきりに。それでも、注射を打ち続けた。

「ゲームみたいな感覚で、体重がどんどん減っていくのが楽しくて……。副作用があっても、キレイになれる対価だと思えば、逆に安心しちゃうんです」(百合川さん)

周囲の心配をよそにエスカレートしていく。

「効き目が薄れてきたら、量を増やせばいいと思っていました。限界まで処方してもらってそれでも足りなければ、ほかの病院に行き、手に入れる。いま思えば、異常でしたね」(同前)

二度目の救急搬送でようやく命の危険を感じ、マンジャロを絶った。それでもなお、「いま新しい痩せ薬が出たらどうするか」と問うと、こう即答した。

「試すと思います」

この「痩せたい」という女性たちの執念に、医師たちはどう向き合っているのか。内科医の桑島巌氏もまた、痩せたいというニーズが、この問題の根深さだと指摘する。

リバウンドというマンジャロの“罠”

さらに、現実は残酷だ。ある研究によれば、マンジャロの中止後は月平均で約0.8kgのペースで体重が戻り、約1年半で元に戻るとされる。

体重がリバウンドする恐怖から、再びマンジャロを使ってしまう。一度ハマると抜け出せない罠がそこにはある。

「いったん使い始めると、健康に悪影響のある薬を、一生使い続けることになりかねない。マンジャロは、美容目的で使っていい薬ではないのです」(桑島氏)

他人の目を過剰に気にして、痩せることに囚われ、注射一本で理想の自分を得ようとする。その結果、めまいに苦しみ、栄養失調で倒れてもなお、やめられない。

健康を差し出してまで手に入れた「細い体」の先に、果たして幸せは待っているのだろうか。マンジャロは、彼女たちを「なりたい自分」にしてくれる魔法の薬などでは、決してないはずだ。

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週刊現代」2026年8月3日号より

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