ADB(Android Debug Bridge)はAndroidの開発や特殊な機能・アプリを使うために用いられるツールです。このツールに関する機能変更が検討されており、1台のデバイスでADB接続を行う方法が制限される可能性が出てきました。開発者のKitsumed氏が解説しています。

Android May Soon Restrict On-Device ADB, Affecting Shizuku, libadb and Developers | Kitsumed Blog

https://kitsumed.github.io/blog/posts/android-may-soon-restrict-on-device-adb/



Google considers potential on-device ADB changes

https://www.androidauthority.com/google-android-on-device-adb-changes-discussion-3691371/

Kitsumed氏が取り上げたのは、Google IssueTrackerで進行中の機能リクエストで、ADBの中核メンテナーの1人(Google社員)が悪意のある攻撃への対策としてADBサーバーが利用するネットワークインターフェースを制限する案に言及している件です。

ADBはもともとUSB接続専用として設計されていましたが、その後利用方法が拡張され、TCP/IPあるいはWi-Fi(ワイヤレスデバッグ)で接続できるようになりました。これらは通常、PCや別のAndroid端末から接続します。一方で、自分自身の端末から1台でADB接続を確立する方法もあります。デバイスが内部ネットワークプロトコルを使用してlocalhostループバック接続で自身と直接通信できるようにする方法です。



今回リクエストされた機能は、ワイヤレスADB認証を完全に回避できてしまう脆弱性「CVE-2026-0073」が発見されたことを受けて提案されたもので、ADBサーバーがバインドするネットワークインターフェースを開発者が指定できるようにしてほしいという内容です。このリクエストに対しGoogleの社員は「Wi-Fiインターフェースであるwlan0だけにバインドするよう制限してはどうでしょうか」と返信しています。

重要なのは、これによりlocalhostループバックアドレスを介した接続がブロックされるということです。

この案が採用された場合、開発者が任意のネットワークインターフェースを利用できなくなるため、Kitsumed氏は「1台のデバイスだけを利用したADB接続のほか、VPN経由のADBやEthernet経由のADBなど、その他多くの特殊な開発環境が利用できなくなります」と指摘。

今回問題となった脆弱性は、悪用されれば権限昇格につながる可能性はあるものの、悪意のあるアプリ単独では実行できず、必ず人間が複数の操作を手動で行う必要があるため、一括して選択肢を制限するのは賛成できないとKitsumed氏は主張しました。