「米中AI格差5年以内になくなる」ディープシーク、梁文鋒氏の発言流出で2回目の資金調達を中断
中国の人工知能(AI)スタートアップ、ディープシークが2度目の投資誘致ラウンドで潜在投資家に取引を暫定中断すると伝えたとブルームバーグが複数の消息筋の話として報道した。今回の決定は創業者の梁文鋒氏が「米国と中国のAI格差は5年以内になくなるだろう」と話した投資家懇談会の音声データが流出してから数日で出てきた。
消息筋によると、梁氏は自身の発言内容がオンラインで報道されたことを不満として資金調達を中断したという。ただ投資交渉自体は依然として流動的なため、ディープシークが今後手続きを再開する可能性もある。
問題になった音声データは先週、中国だけでなく韓国の交流サイト(SNS)でも広まった。公開の席上にほとんど姿を見せない「隠遁経営者」として知られる梁氏が5月20日に投資家らと3時間以上にわたり交わした対話が118の問答形式に整理されて公開され大きな話題となった。音声データには米中AI格差、会社のビジョン、汎用人工知能(AGI)達成に向けたロードマップなど11件の主題が盛り込まれていた。
梁氏は米中間のAI格差が5年以内に大きく縮まると予想した。彼は「5年後には状況が変わるだろう」としながら比較的楽観的な立場を示した。米仲の最も大きな差としてはグラフィック処理装置(GPU)演算資源を挙げた。彼は「人材の差、モデル性能の差、応用サービスの差も結局演算資源の差から始まる」と話した。その上で「いまは1〜2年ほどの格差があるが、中国は米国の20分の1水準の演算資源でも同様の成果を出している」と評価した。
また、彼は中国独自の生態系に対する自信も強調した。ディープシークのバージョン3を学習する時はエヌビディアのGPUを使ったが、CUDA生態系に対する依存を減らしTileLangという独自開発のソフトウエアを活用したと明らかにした。いまはファーウェイのGPU4枚がエヌビディアのGPU1枚の水準の性能だとし、チップそのものの性能は約4倍、時間格差は約2年ほどだがこれは5年以内に解決されるだろうと主張した。
梁氏が投資家に最も強調した部分は会社のビジョンだった。彼は「社会に大きな善意を持ってこの仕事を始めた。AIはとても巨大な産業で、その中の利益も莫大だ」と話した。続けて「巨大なパイでとても小さな市場シェアだけ確保しても十分だ」と付け加えた。
彼は会社戦略の核心として「節制」を掲げた。「節制はひとつの戦略。一部をあきらめることによってもっと大きいものを得られるため」と説明した。オープンソース戦略もやはり他の人たちと利益を分け合う方式だと話した。
ディープシークはAI発展ロードマップを推論過程(CoT)→エージェント→持続的学習→自分の進化の特異点(シンギュラリティ)→具体化したフィジカルAIと提示し、現在の段階は「持続的学習」と説明した。このようなAGIビジョンを実現するにはチームの安定性を維持することが何より重要だとも強調した。
梁氏は2年前の2024年7月のインタビューで、米中格差を「独創性と模倣の差」と要約したが、今回はこれをコンピューティングパワー、すなわち資源の問題に狭めて説明した形だ。
一方、ディープシークは今後の投資誘致を通じて最小100億元(約2415億円)規模の追加資金確保を目標としており、最終規模はさらに大きくなるだろうとの見通しも出ている。ブルームバーグは投資誘致前に企業価値を最小4800億元に設定したと伝えた。また、年内に上場申請書を提出する可能性もあるという。
ブルームバーグによると、梁氏の資産は6月の投資誘致後に2倍以上増えた。それまでの167億ドルから360億ドルに増加し、これはアンソロピックPBC創業者ダリオ・アモデイ氏とオープンAI創業者グレッグ・ブロックマン氏を上回る水準だとブルームバーグは集計した。
![中国の李強首相が主宰した政府業務報告建議に向けた専門家座談会で発言するディープシーク創業者の梁文鋒氏[CCTV キャプチャー]](https://image.news.livedoor.com/newsimage/stf/8/b/8b5de_204_1a1b1007_a5a2aa0f.jpg)
