【藤 和彦】成人の10人に1人が借金を滞納…政府も家計も借金まみれの中国経済に「明るい未来」がないワケ

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前編記事『200兆円超を返済しても焼け石に水か…地方政府の隠れ債務が2000兆円に迫る中国でこれから起こること』で見てきたように、輸出の絶好調とは裏腹に、中国では投資も消費も急速に冷え込んでいる。だが、中国経済が抱える問題はそれだけにとどまらない。

補助金頼みでは…

中国の財政状況も厳しくなる一方だ。

ブルームバーグは16日、「中国政府の第2四半期の純債券発行額は最大で4兆4000億元(約107兆円)に達し、過去最高を記録した昨年同期の3兆8000億元(約92兆円)を大幅に上回る見通しだ」と報じた。

IMFも「中国の政府債務残高の対GDP比率は昨年の99.2%から2029年には120.3%に上昇する」と予測している。中国の上昇幅は同期間の米国(123.9%から135.5%)の約2倍に匹敵する。

中国政府はAIやヒト型ロボットなどの先端産業に大量の資金を投入してきたが、「ない袖は振れない」。政府の補助金頼みで規模を拡大してきたハイテク企業が梯子を外され、苦境に陥るのは時間の問題なのではないだろうか。

10人に1人が債務を滞納

中国政府はここに来てようやく内需の拡大の必要性を認識したようだ。

中国政府は13日、2030年までに年間小売売上高を約60兆元(約1434兆円)に引き上げる計画を発表した。年間消費の伸び率は3.7%増となる計算だが、近年の約5%増に比べて低い水準だ。

中国政府は規制緩和などで家計消費率を引き上げようとしているが、この目標の達成すら危ういと言わざるを得ない。

中国の個人向けローンの不良債権が過去最高となっているからだ。

調査企業ガベカル・ドラゴノミクスによれば、中国の家計の不良債権残高が昨年、2割以上増加し、過去最高の2兆2200億元(約53兆円)となった。政府が借り入れによる消費を促した結果、成人10人に1人が債務の支払いを滞納している有様だ。

政府も家計も借金まみれの中国に「明るい未来」があるわけがない。

モデル・チェンジが早すぎる

最後に中国の電気自動車(EV)に関する「不都合な真実」を紹介したい。

中国自動車工業協会と和君コンサルティングは12日、中国のEVの平均年齢(新車登録からの経過年数)は1.8年と、ガソリン車(8.2年)を大きく下回っているとする調査結果を発表した。EVの買い替えサイクルがスマートフォン(IDCによれば、昨年は約2.8年)よりも短いというのだから驚きだ。

主な購入者である35歳以下の若年層が、EVのモデル・チェンジに敏感に反応して買い替えているのが理由だと言われているが、EVの中古車市場での価値が低いため、その多くが廃車となる可能性が高い。廃車となったEVに搭載されているバッテリーなどの産業廃棄物が中国各地で野放し状態になっているのではないかとの不安が頭をよぎる。

筆者は以前、中国のEV墓場の現状を本コラムで伝えたが、EVを巡る環境はさらに悪化しているのは確実だ。

日本では「中国のEV化の動きを見習え」との声が高まっている感があるが、その実情をしっかりと見極める必要がある。

日本にとって厄介な存在と化した中国だが、内情はお寒い限りだ。中国お得意のプロパガンダに惑わされることなく、冷静な対応が必要だ。

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