「2週間かかる仕事が1時間で終了」社外AIで資料を作成…あえて“ダサく修正”してバレずに乗り切った42歳会社員の告白

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もはや生成AIは日常の一部になりつつあるが、一部の人々はより巧妙な使い方を駆使している。SPA!が全国4000人に利用実態を調べた結果から見えたのは、知らぬ人ほど損をする「AIハッタリ社会」の実態だった――。
◆AIを活用している人の割合は…

連日「AIブーム」がニュースを賑わせているが、そもそもどの程度の人が生成AIを日常使いしているのか。今回、SPA!は全国4000人にAI利用の実態調査を行った。すると、生成AIを「ほぼ毎日使っている」のは1割強にすぎず、約半数はいまだ未使用・未接触という意外な結果に……。また、その用途も「調べ物・要約」「メール作成」といった無難な活用が大半を占めた。

このように多くの人にとって生成AIは、まだ他人事かちょっとした便利グッズにすぎないようだ。しかし一方で、生成AIを普段使いする層では「AIを使ってズルをしたことがある・他人がズルをしているのを見た」という回答が3割以上に達した。

大半が表層的な使い方にとどまるなか、その裏ではAIを使い倒して利益を貪る“AI強者”たちが存在しているのだ。では、AI強者はどのような使い方をしているのだろうか。エピソードを見ると、3段階の悪質性に分けられるようだ。

◆あなたは生成AIをどのくらい使っていますか?

全く使ったことがない 47.55%

ほぼ毎日使っている 12.35%

週に数回使っている 11.33%

たまに使っている 13.45%

その他 15.32%

アンケートツール「Freeasy」にて、22歳以上の男女4000人を対象アンケート調査を実施。期間は’26年6月26日〜28日

◆AIで資料を作成し“誰でも作れるレベル”に修正

最も頻発しているのが「労力ごまかし」型で、会社員の田中誠さん(仮名・42歳)のケースだ。今年度から勤務先でもAIが解禁されたが、使えるのはCopilotのみ。メールや議事録の作成には使えるものの「マイクロソフトのAIなのに、パワポがまともに使えないんですよ。謎なんですけど」と田中さんは苦笑する。

「新人向けの研修資料を作ることになった際、在宅勤務の日に社内資料を自宅のパソコンに転送し、無料版のGeminiで資料を仕上げました。通常2週間かかる作業がわずか1時間で終わってしまったのですが、あまりに早く終わると怪しまれるので、締め切りギリギリまで意図的に寝かせておいて『昨日は夜遅くまでやって、やっと終わった!』と同僚に言いました」

なぜ彼はそこまで“ウソ”を盛らなければならなかったのか。

「社内のCopilotでは作れないはずの資料ができてしまった。それに私用PCに社内資料を転送するのもウチではご法度で、二重にNGなんですよ。だからこそ、逆に目立てなかったんです」

バレないための工夫も周到だった。AI特有の“こなれすぎた言い回し”は手作業で修正し、あえて品質管理の専門用語を交ぜ込んだ。Geminiが出力しがちな海外風のおしゃれなイラストは全部外し、社内で見慣れた「いらすとや」の素材に差し替えたのだ。

「完成度を上げすぎると逆に怪しまれる気がして、あえて『誰でも作れるレベル』に抑えたんです。『ちょいダサ』を心がけたというか」

その逆張りの発想は功を奏し、周囲から高い評価を受けたという。

◆AIに疎い上司を騙して昇進する人も

一段上の「評価泥棒」型になると、実害は他者に及ぶ。会社員の村里恵理さん(仮名・30歳)が目撃したのは、同僚による“AI昇進”の一部始終だ。

「社内コンペで、ある同僚が企画書の大半をAIに処理させ、自分なりにアレンジして提出していました。AIを使ったことはチーム内の一部メンバーには共有されていましたが、上長や部署全体に対しては完全に伏せられていて。プレゼンの場では、自力で考えたアイデアかのように振る舞っていました」