意外に多い成功例…佐々木麟太郎が手本にするべき「8巡目指名一塁手」列伝 MVPにも輝いた実力者に、3本塁打10打点の遅咲きスラッガー

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佐々木はマーリンズからの指名を受け入れるのだろうか(C)Getty Images

 現地時間7月11〜12日に行われたMLBの新人ドラフト会議で、佐々木麟太郎(スタンフォード大)がマーリンズに8巡目で指名された。

 この「8巡目」という評価をどう受け止めるべきなのかいまひとつ分からない、と思う人は多いのではないだろうか。

 そこで、過去のドラフトで8巡目指名を受けた一塁手を振り返ってみると、意外に成功例が多いことが分かった。

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▼ポール・ゴールドシュミット
【2009年8巡目ダイヤモンドバックス

 一塁手に限らず、1965年に始まったドラフト史上最強の8巡目選手として名高いのが、現在はヤンキースで活躍するゴールドシュミットだ。

 ドラフトから2年後の2011年に早くもメジャーデビュー、13年に36本塁打&125打点で二冠王に輝くと、攻守兼備のオールラウンド一塁手として長く活躍。カージナルスに移った後の22年にはMVPにも輝いた。

 WBCアメリカ代表にも3度選出。23年決勝戦前の大谷翔平による「憧れるのをやめましょう」スピーチでも名前を挙げられている。38歳で迎えた今季も打棒は健在で、通算400本塁打まであと15本。将来の殿堂入りも視野に入る。

▼トレイ・マンシーニ
【2013年8巡目オリオールズ】

 ノートルダム大からプロ入りしたマンシーニは16年9月にメジャーデビュー、翌年24本塁打を放って新人王投票3位に入ると19年には35ホーマーとリーグを代表する長距離砲へと台頭した。

 20年に皮膚がんのためシーズンを全休したものの、翌21年は球宴ホームラン・ダービー出場するなど見事にカムバック。ここ2年は衰えもありメジャーから遠ざかっていたが、今季は3年ぶりに大舞台への復帰を果たすなど、不屈の闘志で人々を鼓舞し続けている。

▼ライアン・オハーン
【2014年8巡目ロイヤルズ】

 一気にスターダムを駆け上がったゴールドシュミットとは対照的に、遅咲きの花を咲かせたのがこのオハーンだ。

 メジャーデビューを果たした18年に44試合で12本塁打を放つも、その後数年は伸び悩み。2度のDFAを味わうなど苦杯を舐めたが、29歳で迎えた23年に打率.289、14本塁打、OPS.801とブレイクを果たす。

 昨季は念願のオールスター初出場、パドレスを経てパイレーツへFA移籍した今季は、7月14日のブレーブス戦で3本塁打、球団史記録の10打点と大爆発するなど、32歳にしてキャリア最高のシーズンを送っている。

 MLBのドラフトでは、各指名順位に契約金の推奨額が割り当てられており、佐々木が指名された8巡目・全体235位は23.92万ドル。日本円にするとおよそ3900万円足らず。ソフトバンクからの1位指名を受け入れた場合に得られるであろう金額(1億5000万円)からするとかなり少ない。

 その意味では、決して高い評価とは言えないのは事実だろう。だが、ここで見てきたように、8巡目からのし上がってメジャーの舞台で活躍した一塁手も決して少なくない。

 初志貫徹でマーリンズからの指名を受け入れるのか。それとも日本への帰国を選ぶのか。佐々木の決断に注目が集まる。

[文:久保田市郎]