パティシエは副住職 作務衣をまとって生地を混ぜ 日々の勤めの傍らパウンドケーキ専門店を開いた理由とは【岡山】
歴史ある寺の一角に開かれたパウンドケーキ専門店が人気を集めています。パティシエを務めるのは寺の副住職。体に優しい素材で作られるケーキには、ある思いが込められています。
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寺の副住職とパティシエの二刀流 両立させる日々
大きなボウルで焼き菓子の生地を混ぜるのは、作務衣を身にまとったパティシエです。
(安住院副住職 生駒善勝さん)
「いつもあたふたしてます。寺の仕事と両方あるので、
限られた時間の中でさせていただこうと」
岡山市中区にある「安住院」。奈良時代から続く由緒ある寺です。ここで副住職をつとめている生駒善勝さんです。
(安住院副住職 生駒善勝さん)
「4時すぎに起床して、読経のお勤めをするのを毎日しております」
修行時代に調理師免許を取得 今年4月に店をオープン
1200年以上の歴史を誇る寺を守るため、日々の勤めを果たす傍ら、
月に数回、寺の向かいに開いたパウンドケーキ専門店「パパのおかしやさん Resho」を営業しています。
高野山での修行時代に、僧侶などの食事を作っていたことから、調理師免許を取得。
さらに、もともとお菓子作りが趣味だったこともあり、今年4月に店をオープンしました。
(安住院副住職 生駒善勝さん)
「(焼き具合は)完璧だと思います」
副住職が作るパウンドケーキ、その名も「坊豆 pound」です。生地には、自家製の豆乳とおからを使用。一般的なパウンドケーキよりも低カロリーで、タンパク質などの栄養が豊富だといいます。
きっかけは我が子の偏食 なんとかしたいとお菓子を
さらに、厨房には、こんな食材も…。
(安住院副住職 生駒善勝さん)
「これは小松菜です。これはゴボウです」
一般的にはスイーツにあまり使うことのない野菜たち。そこには、善勝さんのある思いがありました。
(安住院副住職 生駒善勝さん)
「うちの子どもが、もともと偏食だったっていうのがあるんですけど、お菓子の中で栄養を摂ることができればと思い作って」
育ち盛りの男子小学生、2人の父親である善勝さん。5年前、お菓子以外はほとんど食べないという次男の偏食に、夫婦ともに悩まされていたといいます。
(妻 紗穂さん)
「なんで食べないんだろう、きょう一日、一体何食べたんだろうって、すごく悩んだ時期だったんですけど、こっちの焦りみたいなのも子どもに伝わっていたのかなって。それで余計になんで食べないの、なんでママ作ったのに食べないのって、たぶん子どももそれで嫌になった部分もあると思うんですけど」
お菓子ばかり食べていた次男に「少しでも栄養を」。そんな思いから生まれました。
(妻 紗穂さん)
「どうですか?」
(子どもたち)
「美味しい!」
(妻 紗穂さん)
「今では緑の野菜でもなんでも好き嫌いないですね」
家族思いの優しい味が評判に 期待に応えて店を
家族を思う優しさが込められたパウンドケーキです。
子どもの友人家族へ手土産として持たせていたところ評判を集め、「ぜひ店を開いてほしい」と背中を押されたことがオープンにつながりました。
営業日、雨にもかかわらず、多くの周辺住民らが店を訪れていました。
(客)
「3度目です。息子も大好きです」
「添加物が無いし、裏(のラベル)を見て安心。手間暇かけてくださっているなって」
(安住院副住職 生駒善勝さん)
「ありがとうございます。そう言っていただけたら何よりです」
「みんなが健やかに」 悩むママたちの支えにも
地域の人たちの体を労わり、ふれあいを生むきっかけにもなっている小さなお菓子屋さん。二人三脚で歩む夫婦には、これから叶えたい夢があります。
(妻 紗穂さん)
「偏食だったり、子どもの食事に悩むママがちょっとでもほっとできるような、こういう存在があるんだなっていう、ちょっとほっとできる存在になっていきたいなと思います」
(安住院副住職 生駒善勝さん)
「健やかにみんなが育ってくれたらいいなと思っておりますので、長く続けていけるように頑張っていければと思っております」
2児の父でもある副住職が焼き上げるパウンドケーキ。家族を思う優しい味が、これからも訪れる人をそっと包み込みます。
(スタジオ)
ー次回の販売は、来月(8月)1日。予約販売のみで、予約期間は今月(7月)13日~24日だということです。中には「邪気を払う」と言われる珍しい柑橘類「ジャバラ」を使ったお寺らしいメニューもあるそうです。

