「もう処罰は終わったんだよ」はま寿司迷惑行為“50万円罰金”男が再犯…「高額賠償金」求める声も、弁護士が指摘する“高いハードル”
「何を反省しなきゃいけないの?」「もう処罰は終わったんだよ」
6月24日、自身のTikTokライブでそう開き直る場面があったという配信者の新西悠太容疑者(43)。そのわずか4日後の6月28日、回転寿司チェーン「はま寿司」の店内で、しょうゆボトルの注ぎ口を指で触るなどの動画を撮影・投稿し、7月6日に威力業務妨害の疑いで埼玉県警に逮捕されたことが報じられた。
新西容疑者は、約1か月前の6月3日にも、はま寿司の別店舗で注文した寿司に洗剤容器に入った液体をかける動画を投稿したとして、同容疑で逮捕されていた。この事件では川越区検が略式起訴し、川越簡裁から罰金50万円の略式命令を受けている。
短期間のうちに繰り返された同種の迷惑行為。罰金刑を科された直後の再犯に、はま寿司側はネットメディアの取材に対し「強い憤りを感じております」とコメント。
インターネットでは「承認欲求強すぎ。理解に苦しむ」といった新西容疑者への批判の声はもちろん、「出禁にするべき」「巨額の損害賠償を課してほしい」とはま寿司に何らかの措置を求める声が多く上がっている。
一方で弁護士は、損害額や因果関係を証明する難しさから「民事ではそこまで高額な賠償を請求できるとは思えない」とも指摘する。新西容疑者には、今後、どのような手続きがとられ、いかなる法的責任が問われる可能性があるのだろうか。
「2度とやらない」発言の4日後に再犯新西容疑者の一度目の逮捕は6月3日。はま寿司の店舗で、持参した洗剤容器に入った液体を注文した寿司にかける動画をTikTokに投稿したことが、威力業務妨害にあたるとして逮捕された。
その後、20日間の勾留を経て釈放された新西容疑者は、6月24日にTikTokライブを実施。ライブでは「2度とやらない」と語る一方で、「反省はしてない」と開き直る場面もあったようだ。
そして、ライブからわずか4日後の6月28日、新西容疑者は再びはま寿司の店舗を訪れ、“再犯”に及んだという。
報道等によると、新西容疑者は午前11時ごろから約7分間、しょうゆボトルの注ぎ口部分に自分の指を接触させ、しょうゆを出すなどの行為を撮影。この動画をSNSに投稿し、不特定多数が閲覧できる状態にしたことで、店側にしょうゆボトルの交換や苦情対応などの業務を余儀なくさせ、業務を妨害した疑いが持たれている。
なお新西容疑者は「ボトルに指が触れたかは分からない」と容疑を一部否認しているとされる。
罰金50万円の略式命令を受けた直後にもかかわらず、同種の犯行を繰り返した新西容疑者。
刑事事件に多く対応する杉山大介弁護士は、「前回より重い刑罰が科される可能性が高い」と指摘する。
「まず、刑事手続きについては、前回のような略式起訴ではなく、通常の裁判になる可能性が高いでしょう。
そもそも略式起訴は、被疑者が罪を認めていることが前提となる手続きです。今回は容疑を一部否認していると報じられているため、検察官が起訴の判断をした場合、通常の裁判を求める『公判請求』を行うことになると考えられます」
そして、仮に通常の裁判で有罪判決が下された場合、科される刑罰は「拘禁刑になるでしょうね。そのため、罪を認めたとしても略式の手続にはならないかと」と杉山弁護士は続ける。
威力業務妨害罪の法定刑は「3年以下の拘禁刑または50万円以下の罰金」であり、すでに一度目の犯行で罰金刑の上限である50万円の命令を受けていることから、今回新たに犯罪が成立するのであれば、それより重い拘禁刑が選択される可能性が高いという見立てだ。
損害賠償請求の行方は?刑事罰とは別に、はま寿司側が新西容疑者に対して民事訴訟を提起し、損害賠償を請求する可能性もあるのだろうか。
過去、2023年1月に回転寿司チェーン「スシロー」で少年が醤油さしを舐めたことが発覚し、大きな問題になったいわゆる「スシローペロペロ事件」では、運営会社が少年に対し約6700万円の損害賠償を求める訴訟を提起した(その後、調停が成立し訴えは取り下げられた)。
杉山弁護士は、「今回のケースでも、民事訴訟が提起される可能性はある」としつつ、「そこまで高額な賠償を請求できるとは思えない」とも話す。
「スシローの件は、あくまで脅しと見せしめの意味も込めてやったことであり、特に数字的な参考にはなりません。
損害賠償を請求するのであれば、迷惑行為によってどのようなマイナスの影響が生じたかを数字的に示すことが必要ですが、これは簡単ではありません。たとえば『売上がいくら下がった、それはこの動画のせいである』と損害額と因果関係を立証しなければなりません」
今回、はま寿司側は全テーブルのしょうゆボトルを交換しており、その費用は損害として認められやすいだろう。また、苦情対応で生じた人件費なども影響がわかりやすい。しかし、それ以上のブランドイメージの毀損や売上減少といった損害については、動画との直接的な因果関係を裁判で立証するハードルは高いようだ。
インターネットでは「高額賠償(請求)したところで払えない可能性もある」「(容疑者の)SNSのアカウント停止やスマホの取り上げなどの物理的な遮断が必要では」などの声もある。
なにが再犯の抑止力になるのか――。司法の厳格な処断とともに、実効性のある再発防止策が求められている。

