警察署長が「Flock」のナンバープレート追跡システムを使って元恋人をストーキングしていたことが判明

アメリカの地方都市を管轄する警察署の署長が、署に導入されたナンバープレート追跡システムを悪用して3人の元恋人を追跡していたことが分かりました。もともと監視システムの導入に反発があったことが災いして、監視システム導入の意義にも議論が発展しています。
Flock-Powered Police Chiefs Stalking Women Shows Why Warrants Are Needed (Public Report)
Prosecutors say McHenry County police chief used Flock license plate reader data hundreds of times to track people he knew
https://www.lakemchenryscanner.com/2026/06/19/prosecutors-say-mchenry-county-police-chief-used-flock-license-plate-reader-data-hundreds-of-times-to-track-people-he-knew/
2026年6月18日、イリノイ州マクヘンリー郡にあるホリデー・ヒルズで警察署長を務めていたウィリアム・C・コップ容疑者が公務上の不正行為2件で逮捕・起訴されました。コップ容疑者は、イリノイ州警察が運営するデータベースシステム「LEADS」、および民間企業のFlockが運営するナンバープレート追跡システムを悪用し、知人6名を違法に追跡した疑いが持たれています。
検察によると、うち3名はコップ容疑者と過去に恋愛関係にあった女性だったとのこと。また、コップ容疑者は女性の1人の元交際相手も追跡しており、その男性のナンバープレートを数カ月にわたり合計140回照会していたそうです。照会のうち86回は勤務時間外に行われていました。
コップ容疑者はこの男性に執着していて、2025年9月には警察を名乗った上で「元恋人に連絡を取るな」という脅迫的な留守番電話を残していたとのこと。コップ容疑者に追跡されていたと知ったこの男性は「自分の身の安全が心配です。子どもたちが大学から帰省した際に私の車を運転することもあるので、子どもたちの身の安全も心配です。私はマクヘンリー郡に行ったことは一度もありませんし、彼が私のナンバープレートを照会する理由は全くありません。ましてや個人的な目的で何度も照会する理由など考えられません」と述べました。

今回の逮捕は、法執行機関がFlockのナンバープレート追跡システムを悪用するという世間の不安をさらにあおるものだとして話題になっています。Flockは数多くの政府機関や民間企業と提携してセキュリティカメラを展開していますが、近年はアメリカ合衆国移民・関税執行局(ICE)に監視カメラのアクセスを許可していると報じられたことから、ICEへの反発と併せて世間の激しい怒りに直面しています。Flockと提携したAmazonは世間の反対を受けて後に提携を解消しました。
Amazon Ringが監視に対する反発を受けFlock Safetyとの提携を解消 - GIGAZINE

Flockシステムに対する訴訟を進めている司法研究所は、2026年半ば時点で全米に少なくとも18件の関連訴訟があると指摘し、その総数は「ほぼ確実に過少集計」だと述べています。過去に報道された例では、2025年11月にジョージア州ブラセルトンの警察署長が複数の人物に嫌がらせやストーキングを行っていた事件、アイダホ州ジェローム郡の保安官が妻のナンバープレートを700回以上照会した事件、カンザス州セジウィックの警察署長が元恋人のナンバープレートを164回、元恋人の新しい交際相手のナンバープレートを64回照会した事件などがあります。
Flockによるナンバープレートの追跡は令状なしで利用できることから、簡単に監視できるシステムが存在するのは問題だとして、法整備が求められています。
