相場展望6月22日号 米国株: スペースXの株価、ついに下落⇒今後の株価推移と波及に注目 日本株: 日経平均は終値で初の7万円台乗せも、目立つ落ちこぼれ銘柄
■I.米国株式市場
●1.NYダウの推移
1)6/18、NYダウ+72ドル高、51,564ドル 2)6/19、祝日「奴隷解放記念日」(Juneteenth National Independence Day)のため【前回は】相場展望6月18日号 日本株: 史上最大スペースXのIPO後、NYダウやっと下落・日経は上昇 米国株: 自称「交渉の達人」トランプ氏、結局はイランに翻弄され屈した
●2.米国株: スペースXの株価、ついに6/17下落⇒今後の株価推移と波及に注目
1)スペースXの株価、ついに6/17下落 (1)スペースXの上場来の株価 6/12 160.95ドル 新規上場、公募価格135ドル比+19.2%高 6/15 192.50 +19.6%高 6/16 201.80 +4.8%高 6/17 191.82 ▲4.9 %安 6/18 185.00 ▲3.5%安 6/19 祝日「奴隷解放記念日」で休場 ・6/17~18の2日間で高値から▲8.3%下落した。(2)あと超大型の新規株式公開(IPO)が2銘柄控えている 1. 残された超大型IPO銘柄 ・オープンAI ・・ 137兆円規模 ・アンソロピック・・ 155兆円規模
(3)過去を振り返れば、超大型案件後に「相場の流れが大きく変わった」事例あり。そのため、要注目
●3.クリミヤで個人・法人向けガソリン等の販売停止、ウクライナが製油所攻撃(共同通信)
1)ウクライナが「クリミヤ孤立作戦」を本格化、原油施設など相次ぎ攻撃、ロシア軍の兵站遮断を狙う(産経新聞)●4.イラン、レバノン攻撃は「停戦合意違反」、「ホルムズ海峡を再封鎖」と宣言(FNN)
●5.イラン・ペルシャ湾海峡庁はホルムズ海峡通過の商船に事前申請を義務化(読売新聞)
1)合意成立後の有料化を視野。●6.米国政権、イラン覚書を議会に提出、軍事作戦終結や封鎖解除など網羅(ロイター)
1)合意した戦闘終結に向けた覚書(MOU)の要点 (1)米国とイランは、レバノンを含む全ての戦線での軍事作戦を即時、かつ恒久的に終了する。 (2)米国とイランは60日以内の最終合意締結に向け交渉すると確約、双方が合意すれば交渉期限を延長できる。 (3)米国は30日以内に、イランに対する海上封鎖を全面的に解除する。 (4)最終合意成立後、米国は30日以内にイラン周辺地域から部隊を撤収する。 (5)米国と地域パートナー国は、イラン向けに総額3,000億ドル規模の復興・経済開発計画を策定する。 (6)イランは60日間、ホルムズ海峡を通航する商戦に対し料金を徴収せず安全な航行を保証する。 (7)最終合意の一環として、米国は対イラン制裁を終了する。 (8)イランは核兵器を取得・開発しないと確約。 (9)米国はイラン産原油の輸出に関する適用除外措置を導入する。 (10)米国とイランは凍結されているイラン資産の解放を巡り協議する。 (11)米国とイランの最終合意は、国連安全保障理事会決議により承認を受ける。●7.米国でデータセンター建設に反対の嵐、3カ月だけで75センター・1,300億ドルが中断(TBS)
1)州レベルの規制も活発化。■II.中国株式市場
●1.上海総合指数の推移
1)6/18、上海総合▲17安、4,090(亜州リサーチ) 2)6/19、祝日「端午節」のため休場■III.日本株式市場
●1.日経平均の推移
1)6/18、日経平均+1,151円高、71,053円 (日経新聞) 2)6/19、日経平均+196円高、71,250円 (ロイター)●2.日本株:日経平均は6/18終値で初の7万円台乗せも、多くの銘柄は取り残され
1)日経平均は6/18終値で初の7万円台乗せ (1)最近の日経平均の推移 6/16 69,404円 6/17 69,902 6/18 71,053 6/19 71,2502)6/19日経平均の動向(前日終値比)・・上下に振れ幅の大きい日であった ・朝・初値 :+497円高 午前・高値 :+899円高 後場・最安値:▲535円安 終値 :+196円高
・6/19の振れ幅は1,434円と大きく、海外短期筋の投資心理の揺れを表している可能性がある。
・強気一辺倒の海外短期筋にも、高値警戒感が次第に強まっているようだ。
3)日経平均は6/19に7日間続伸となったが、日本株式相場全体が強いわけではない。 (1)少数の日経平均株価指数を持ち上げたのは、(1)AI・半導体関連(2)データセンター向けの光通信・電子部品株である。 (2)一方、銀行、精密機器、そのた金融、医薬品、海運などが売られている。
4)6/19の株価指数別は、日経平均の強さ・他の指数の弱さが目立つ (1)6/19の主要株価指数(前日比) 日経平均225 +196年高 +0.28%高 東証株価指数(TOPIX)▲23安 ▲0.57%安 JPX日経400 ▲242安 ▲0.66%安 グロース250 ▲20安 ▲2.90%安
5)日経平均は、NYダウと比べ断トツの上げ幅を記録 (1)日経平均とNYダウの年初来の推移 日経平均 NYダウ 年末 50,339円 48,063ドル 直近 6/18・19 71,250 51,562 上昇幅 +20,911円高 +3,499ドル高 上昇率 +41.5%高 +7.2%高
6)日経平均寄与上位5銘柄の状況 (1)6/18、日経平均+1,151円高、寄与上位5銘柄+877円高、占有率76.19% ・寄与上位 寄与額 上昇率 株価上昇幅 東京エレクトロン +346円高 +4.74%高 +3,440円高 ソフトバンクG +249 +4.49 +309 イビデン +115 +7.15 +1,715 ファーストリテイ +96 +1.45 +1,200 村田製作所 +71 +8.10 +880 合計 +877
・その他のプラス寄与上位には、アドバンテスト+58円、レーザーテック+50円、SCREEN+30円高とAI・半導体関連銘柄がある。 ・マイナス寄与上位には、コナミ▲55円、フジクラ▲54円、太陽誘電▲33円、信越化学▲15円があり、AI・半導体関連銘柄でも一角に売りが出た。
(2)6/19、日経平均+196円高、寄与上位5銘柄+834円高、占有率4.25倍 ・寄与上位 寄与額 上昇率 株価上昇幅 アドバンテスト +348円高 +4.75%高 +1,440円高 キオクシア +275 +12.07 +11,700 フジクラ +141 +15.69 +700住友電工 +43 +10.53 +1,285 TDK +27 +1.40 +54 合計 +834
・マイナス寄与上位には、ファーストリテイ▲80円、イビデン▲77円、東京エレクトロン▲72円、ソフトバンクG▲63円、リクルート▲30円。
7)日経平均は大きく上昇したが、銘柄でみると片寄っている 1. 上昇の関連分野 (1)人工知能(AI) (2)半導体関連 (3)データセンター向け電子部品
2. 日経平均上昇の牽引役3銘柄 (1)東京エレクトロン ・・半導体製造装置 (2)キオクシア ・・半導体メモリー (3)ソフトバンクG ・・AI・半導体関連企業に投資
東京エレクトロン キオクシア ソフトバンクG 最高値 6/18 76,080円 6/19 108,600円 6/02 8,632円 直近 6/19 75,360 6/19 108,600 6/19 7,111 昨年末 12/30 34,320 12/30 10,435 12/30 4,400 上昇幅 +41,040円高 +98,165高 +2,711高 上昇率 +119.5%高 +940.7%高 +61.6%高
3. 日経平均の構成銘柄の約3分の1は、6/19 現在で最近の高値に届かず (1)トヨタ (2)任天堂 (3)ニトリ
トヨタ 任天堂 ニトリ 最高値 3/02 3,944円 昨年8/12 14,400円 2024年9/9 4,522円 直近 6/19 2,776 6/19 7,076 今年 6/19 2,358 下落幅 ▲1,168円安 ▲7,324円安 ▲2,164円安 下落率 ▲29.6%安 ▲50.8%安 ▲47.8%安 昨年末 3,356円 10,595円 2,706円 昨年末⇒6/19 ▲580円安 ▲3,519円安 ▲348円安
8)日経平均の年初来の上昇率は4割超 1. 日経平均とNYダウの上昇比較 ・ 日経平均 NYダウ 昨年末終値 50,339円 48,063ドル 6/19 71,250 52,562 上昇幅 +20,911円高 +3,499ドル高 上昇率 +41.5%高 +7.2%高 2. 日経平均の年初来の上昇率 が、NYダウと比べ突出して高い
●3.中国、5月の対日本向けレアアース磁石の輸出量を3割減、日本企業の取得困難に(産経新聞)
●4.政府戦略17分野、2040年までに370兆円超の官民投資(読売新聞)
1)政府が、新たな成長戦略の策定に向けて試算したAI(人工知能)や半導体、造船など「戦略17分野」での官民投資の全容が判明した。投資額は2040年度までに官民で総額370兆円超にのぼる見込みだ。17分野への成長投資は、高市政権の「責任ある積極財政」の目玉政策で、国が投資を主導して民間資金を引き出し、国際競争力を高めたい考えだ。2)主な官民投資としては、 (1)AI・半導体分野で、AIを使ってロボットなどを自律的に動かす「フィジカルAI」に10.5兆円を投じる。人手不足が深刻化する中、工場の自動化やインフラ点検などに活用することで、生産性の向上を図る。
(2)デジタル・サーバー分野では、「自動運転技術」に8.2兆円、「クラウド・データセンター、蓄電池」には2035年度までに32.7兆円の投資を想定している。
(3)情報通信分野では、「次世代無線通信」「光通信」「海底ケーブル」の3分野に約29兆円を投資する。特に、次世代無線通信には20.5兆円を見込み、フィジカルAIに不可欠な高速通信網や衛星光通信に対応した地上局の整備などへの投資を強化する。
(4)資源・エネルギー安全保障・GX(グリーントランスフォーメーション)分野では次世代型太陽電池「ぺロブスカイト太陽電池」の4.1兆円を投資。政府は脱炭素電源の確保に向け、原子力発電所の建て替えを進める方針を示しており、「次世代革新炉」の投資額は5.0兆円にのぼる見通しだ。
(5)コンテンツ分野としては、「ゲーム」の投資が2033年度までに24.5兆円。
3)財源については、経済安全保障上、重要な分野では財源にめどを付けた上で、「つなぎ国債」を発行することで当面まかなう案が有力となっている。
●5.JX金属、インジウムリン基盤の生産能力7~10倍、4年で1,200億円投資 (日刊工業新聞)
1)インジウムリンは、電気信号と光信号を相互に変換できる光通信分野向けの結晶材料。データセンター(DC)向けの光通信インフラ需要の拡大に対応する。 2)JX金属は、磯原工場(茨城県北茨木市)での設備増強に加え、ひたちなか市では新工場を建設して生産体制の強化を進める。■IV.注目銘柄(投資は自己責任でお願いします)
・2726 パル 業績堅調 ・4188 三菱ケミカル 業績絶好調 ・4568 第一三共 業績好調執筆者プロフィール
中島義之 (なかしま よしゆき)
1970年に積水化学工業(株)入社、メーカーの企画・管理(財務含む)を32年間経験後、企業再生ビジネスに携わる。現在、アイマックスパートナーズ(株)代表。メーカーサイドから見た金融と企業経営を視点に、株式含む金融市場のコメントを2017年から発信。発信内容は、オープン情報(ニュース、雑誌、証券リポート等々)を分析・組み合わせした上で、実現の可能性を予測・展望しながらコメントを作成。http://note.com/soubatennbou
