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報徳学園が16年ぶり2回目の優勝!智弁和歌山を下す

 京都大会の上位3校と各府県の優勝校が参加して行われた令和8年度の高校野球春季近畿地区大会。

【写真を見る】智弁和歌山・荒井優聖選手 3回に目の覚めるような特大の3ランホームランを放つ

 5月31日(日)は報徳学園(兵庫)と智弁和歌山(和歌山)による決勝戦が行われ、激闘の末、報徳学園が11対10で智弁和歌山に勝利。16年ぶり2回目の優勝を飾りました。

序盤に流れ掴んだ報徳学園 3回で6点リード

 1回戦、準決勝ともに強豪校の実力を発揮して危なげなく勝ち上がってきた両校の激突。近畿王者をかけた一戦は、序盤から両チームが持ち味を出し合う激しい展開となります。

 先に流れを掴んだのは報徳学園。2回、制球に苦しむ智弁和歌山の先発、井本陽太投手から1アウト1塁3塁のチャンスをつくると、7番岸本玲哉選手がライト前へタイムリーヒット。1点をリードします。前日の準決勝では、代打での登場だった岸本選手がスタメン起用に応えて最初の打席で結果に結びつけました。

 県大会からすべて先攻(表の攻撃)を選択することで、チームに勢いをつけて戦ってきた報徳学園。この後も勢いそのままに井本投手に襲い掛かります。

 各打者がプレッシャーをかけて連続フォアボールで押し出しの1点を加えると、さらに2アウト満塁のチャンスに2番古橋功亮選手がレフトへの2点タイムリーヒット。この回一挙4点。

 続く3回にも、智弁和歌山2人目の三嶋健太投手から岸本選手のタイムリー3ベースなど3連打で2点を加えて6対0と大きくリードを奪いました。

強打の智弁和歌山 特大ホームランで追い上げムードへ

 一方、1回に先制のチャンスを逃すと、2回には報徳の先発江藤達成投手に三者凡退に抑えられていた智弁和歌山。リードを6点にひろげられた直後の3回裏、さすがは強打・智弁和歌山という強烈な攻撃で試合の流れを引き戻します。

 2本のヒットで1アウト1塁3塁のチャンスをつくると、2番荒井優聖選手が、センターバックスクリーン横へ目の覚めるような特大の3ランホームラン。打たれた報徳学園・降旗洸捕手が、「今まで見たこともないような鋭いスイング。すごい当たりだった」と振り返った一発で、一気に3点差に詰め寄りました。

 このひと振りで試合の流れは、智弁和歌山の追い上げムードへ。4回、この回から登板した3人目の久葉亮太投手が1点を失いますが、5回にすぐさま反撃します。報徳学園の守備の乱れもあってノーヒットで2点を奪取。7対5とワンチャンスで同点可能な2点差に詰め寄って前半を終了しました。

優勝への執念ぶつかり合った中盤

 グラウンド整備が行われて仕切り直しとなった6回、ここから両チームの優勝への執念がぶつかり合います。

 智弁和歌山は3人目の久葉投手、報徳学園は6回から投入したエース澤田悠佑投手が粘投。ともに毎回のようにピンチを招きながら、6回、7回、8回と粘り強いピッチングで得点を許しません。

 澤田投手は、8回には2アウト満塁とヒットが出れば同点、長打なら逆転という場面で、この大会2ホームラン、この試合でも2安打を放っている荒井選手を迎えますが、強烈なピッチャーライナーを素早い反応でキャッチしてピンチを脱出。2点のリードを保ったまま9回を迎えます。

9回で満塁ホームラン飛び出す 勝負あったか…

 すると9回表、報徳打線がついに久葉投手をとらえます。1アウトから5番丸尾泰毅選手の3ベースヒットを足掛かりに満塁のチャンスをつくると、8番のキャプテン山田瑛太選手がインコースの難しい球を見事にさばきます。

 「外野フライでいいと思って確実にとらえることを心掛けた。体が残ってしっかりたたくことができた」と話した打球は、ぐんぐん伸びてレフトポール際への満塁ホームラン。この一打で11対5とした報徳。再び6点差として勝負あったかと思われました。

諦めない智弁和歌山 ついに1点差にまで詰め寄る

 僅か1イニングの攻撃を残しての6点差、それでも智弁和歌山は諦めていませんでした。2年連続で1点差で敗戦している春の近畿大会の決勝戦、優勝への執念が選手たちを突き動かします。

 9回裏、試合途中から4番に座ったキャプテン松本虎太郎選手のタイムリー2ベースで反撃の口火を切ると、ピンチの連続で疲れの見え始めた澤田投手から、6番楠本龍生選手、7番山下晃平選手が連続ヒット。2点を返し、なおも1アウト1塁3塁としてチャンスをひろげました。

 このピンチに、報徳学園は前日の準決勝で好投した谷口哲聖投手を投入。総力戦で逃げ切りを図ります。しかし、球場の空気も味方につけて迫力満点の攻撃を仕掛けてくる智弁和歌山の勢いは、なかなか止まりません。

 続く8番川原一将選手のタイムリーで3点差に詰め寄ると、2アウトから1番長友悠成選手がデッドボール。満塁のチャンスをつくって、この大会絶好調の2番荒井選手につなぎます。

 ホームランが出れば逆転サヨナラの場面。「自分が決めるという気持ちで打席に入ったが、甘い球が来なかった。それでも最低限の仕事はできた」と話した荒井選手がライトへのタイムリーヒットを放って3塁ランナーが生還。2点差に迫って、なおも2アウト満塁と後続につなげます。

 このチャンスに続く3番山田凜虎選手は、しぶとく粘って押し出しのフォアボール。智弁和歌山がついに11対10と1点差に迫りました。

2アウト満塁で4番に打席回る 勝負の行方は?

 なおも続く2アウト満塁、ヒットが出れば大逆転の場面。4番松本選手と谷口投手の対決は、一球一球の緊張感とどよめきが球場全体を包みます。

 そして、「智弁和歌山の打者が、どのボールにもしぶとく対応してきていたので、最後は谷口の球の力を信じてサインを出した。よく思い切ってインコースに投げきってくれた」と降旗捕手が振り返った1球は、谷口投手の球威がわずかに松本選手の気迫を上回りました。

 打球はサードゴロとなってゲームセット。両チームの勝利への執念がぶつかり合った近畿大会の決勝戦は、報徳学園が驚異の粘りを見せた智弁和歌山を11対10で振り切り、16年ぶり2回目の栄冠に輝きました。

報徳・澤田投手「夏に向けていい悔しさを味わった」

 試合後、「この大会エースナンバーをいただいたが、最後はその期待に応えられなかったのが一番悔しい。夏に向けていい悔しさを味わったので、この悔しさを成長につなげていきたい」と語ったエースの澤田投手。

報徳・大角監督「夏に向けてもう一段進化したチームをつくりたい」

 また、報徳学園の大角健二監督は「優勝できたことは自信になるが、課題も多く見えた大会だった。同時に『やればできる』ということを選手たちが感じることもできた。長く大会ができたからこそ、(選手たちも)多くのことを学べたので、夏に向けては継続でなくもう一段進化したチームをつくりたい」と話しました。

智弁和歌山・中谷仁監督「勝ち切れないのは『何か足りない』のだと思う」

 一方、「ザ・智弁和歌山の試合だった。ただ勝ち切らないと、選手たちは頑張ってくれたが、勝ち切れないのは『何か足りない』のだと思う。厳しさなのか、覚悟なのか、執念なのか、今のままだとこういう結果になるというのが、(選手たちも)分かったと思うので、この経験を最終的に生かせるように夏に向けて頑張っていきたい」と語ったのは智弁和歌山・中谷仁監督。

 両監督が振り返った白熱の決勝戦は、両チームの底力を感じさせるとともに、今後へのさらなる成長を期待させる内容で幕を閉じました。

(MBS宮前徳弘)