ドクターヘリのパイロット不足 公的育成機関なし、訓練費1000万円以上と高いハードル
参議院予算委員会で、公明党の谷合正明参議院議員がドクターヘリのパイロット不足について言及。谷合氏は、ドクターヘリについて「東京や関西圏で運航停止とか休止が相次いでいる」としつつ、「一部の業者の問題もありますが、パイロット養成にも課題がある」と指摘した。
飛行機には公的な養成機関「航空大学」が宮崎、帯広、仙台の三カ所にある。しかし、ヘリコプターには公的な養成機関はない。では、どのようにしてパイロットになるのだろうか。
ヘリコプターの資格には、自家用操縦士、事業用操縦士などがある。自家用操縦士は17歳以上、総飛行時間40時間以上、事業用操縦士は18歳以上、総飛行時間150時間以上で受験資格が得られる。
飛行経験だけでなく、身体検査も必要だ。特に視力が重要とされており、裸眼で0.7以上必要となる。
資格を得るには、自衛隊や海上保安学校のパイロット養成課程に採用されること。または、民間の養成機関に入ることだ。どちらにもメリット・デメリットがある。
自衛隊、海保のメリットは、訓練費は国が負担してくれ、確実に就職できること。デメリットは、試験倍率が高く、年齢も27歳までの制限がある。
民間の専門学校のメリットは、年齢制限がなく、働きながらでも勉強できること。デメリットは訓練費用に1000万円以上必要となる。
国家試験は学科と実地の2種類。学科を合格しなければ、実地に挑戦できない。試験は年間6回行われる。
どちらから免許を取ろうとするにせよ、ハードルは高い。年間で約30人くらいしか増えてない。
国内で取得する場合は上記だが、海外で資格を得ることもできる。アメリカでは、訓練費が日本の3分の1程度で、さらに短期間で取得できる。英語を話せることが前提となるが、日本より金銭的なハードルは下がる。また、アメリカで取得しても日本で学科試験をクリアすれば切り替えることができる。
ヘリコプターのパイロットは、2030年にベテラン層の大量退職が予測されており、若手育成が急務だ。谷合氏の前述であるパイロット不足に対して、ドクターヘリパイロットの条件を緩和するなど対策を立てている。
パイロットを増やすには、公的な育成機関を作ることは必須だろう。母数が増えないことには、ドクターヘリのパイロットも増えない。国として、どう対応していくのか注目だ。
文/並河悟志 内外タイムス編集部
