ハリス氏が敗北宣言…関税・移民・恩赦“トランプ大統領”国内外への影響は 「非常にフレンドリー」石破首相が初めて電話会談
アメリカ大統領選挙は共和党のトランプ前大統領が勝利を確実にした。一方、ハリス副大統領は一夜明けた6日、支持者らの前で演説し敗北を認めた。
「選挙結果受け入れなければ」ハリス氏が敗北認める
ハリス氏は、首都ワシントンにある母校のハワード大学で集会を開き、トランプ前大統領に敗れてから初めて公の場に姿を見せた。
ハリス氏は「選挙の結果を受け入れなければならない」と敗北を認めたうえで、トランプ氏に祝意の電話をしたことを明らかにし、「新政権への平和的な権限の移行」に取り組む考えを示した。
ハリス氏の敗北をめぐって民主党内からは、7月下旬になって撤退を表明したバイデン大統領の責任を問う声もあがっている。
不法移民問題、ウクライナ…国内外への影響は
トランプ氏の大統領就任で国内外にどのような影響が考えられるのか。
トランプ氏は今回の選挙戦で大胆な公約をいくつも訴えていて、大統領就任前からアメリカ社会や世界情勢が大きく動くことも予想される。
国内問題では、就任初日に行うと言及した不法移民の強制送還や約4年前の連邦議会襲撃事件で有罪となった支持者らを「愛国者」と呼んで恩赦を与える考えを示していて、実行に移せば社会の分断はさらに進みそうだ。
また、アメリカ第一主義を掲げるトランプ氏は、最も大好きな言葉だと語る「関税」を強化する方針も表明していて、メキシコからの輸入車には200%以上の関税を課す可能性も示している。さらに、2025年1月の大統領就任前にウクライナでの戦争を終わらせると訴えていて、ウクライナ支援を継続するのかも大きな焦点になる。
今月、南米で開かれる国際会議の日程に合わせて、各国の「トランプ詣で」も加速するとみられ、世界がトランプ氏の一挙手一投足を注視することになりそうだ。
「非常にフレンドリーな感じ」
一方、石破首相は7日午前、アメリカ大統領選挙で勝利を確実にしたトランプ氏と初めて電話で会談し、早期に対面での会談を実現することで一致した。
午前9時半から約5分間、電話で話したという石破首相は「(トランプ氏は)会って話をすることを楽しみにしているということでした」と述べ、トランプ氏の印象について「非常にフレンドリーな感じがした」と語った。
石破首相とトランプ氏との相性について、ある官邸幹部は「トランプ氏は理詰めの議論は好まないので気をつけたい。まずは首脳同士の関係構築だ」と強調。また、別の重鎮議員は「ディールが好きなトランプ氏に『得だ』と思わせる体制を作ることが必要だ」と指摘している。
石破首相は来週からの南米訪問の帰りにアメリカに立ち寄り、会談を実現したい考えだが、党内からは「世界各国がトランプ氏との接触を狙っているため難しいのではないか」との声も出ている。