「トランプ再選は輸出に否定的な要因。主要経済指標に悪影響を及ぼすだろう」韓国の中央銀行が予想

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韓国銀行がドナルド・トランプ前大統領の再選により変化が予想される世界の貿易・輸出環境が、韓国の輸出、経常収支、物価など主要経済指標に悪影響を及ぼすと予想した。

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11月7日、韓国銀行経済統計局のシン・スンチョル局長は「9月の国際収支説明会」の場で、トランプ前大統領の当選に関連する質問に対し、「トランプ大統領の当選によって通商と輸出環境に変化が生じるであろうし、彼の公約を考慮すると輸出に悪影響を及ぼすだろう」と答えた。

さらに、「トランプ当選人の関税や保護貿易などの公約に押され、韓国の通商や輸出に否定的な要因が少し大きく見える」と述べ、「業種や品目によってはチャンスである場合も危機である場合もあるが、これまでの分析では否定的な見解が優勢だ。11月28日に発表する修正経済展望を発表するとき、そういった部分が反映されるだろう」と説明した。

また、トランプ再選に伴うウォン・ドル為替レートの上昇が及ぼす影響については、「韓国の輸出競争力が価格競争力から品質競争力へと大きく転換されたため、為替レートが上がっても輸出増加への寄与はそれほど大きくない」とした。

ただし「為替レートが大幅に上昇すれば、原油などの原材料輸入額が増加し、経常収支や貿易収支の黒字が縮小する可能性があるが、国際原油価格や国内の原油需要などにも影響を受けるため、為替レートの上昇が直接的に経常収支に及ぼす影響は限定的だ」と分析した。

(写真=Pexels)

シン局長は、ウォン安がインフレーション(物価上昇)に及ぼす悪影響についても懸念を表明した。彼は「為替レートが輸入物価を通じて国内の消費者物価などに及ぼす影響を、韓国銀行調査局がさらに詳しく検討し、改訂見通しに反映するだろう」と述べた。

ウォン・ドル為替レートが上昇すれば、より多くのウォンを支払って海外から商品を輸入しなければならないため、国内の輸入品価格が上昇せざるを得なくなる。

(記事提供=時事ジャーナル)