井上「思い切って投げたい」=初戦の豪州戦に抜てき―侍ジャパン
追加招集で代表入りしたプロ通算9勝の井上が、侍ジャパンの中で大きな注目を集めた。
前日に井端監督が、プレミア12初戦のオーストラリア戦での先発登板を明言。練習後には、多数の報道陣に囲まれ「日本に勢いをつけられるように、思い切って投げたい」と初々しく語った。
身長175センチの左投手。柔らかな人当たりからは想像できないほど肝が据わっている。先月のDeNAとのクライマックスシリーズ(CS)ファイナルステージでは、3連敗で後がなくなった第4戦に先発し、六回1死まで走者を一人も許さない好投を披露。6回を1失点に抑え、チームに勝利をもたらした。
首脳陣は当初、国際試合の経験が豊富な伊藤(日本ハム)に初戦を任せるつもりだったが、けがで辞退。井端監督は23歳の井上に白羽の矢を立てた理由を「(CSの)崖っぷちでの投球を見て、大丈夫だと思った」と説明した。
マウンド度胸だけでなく、今季の8勝のうち6勝を7月以降に挙げた実力も指揮官は買っている。先発を告げられてからは、眠れない日もあったそうだが、今では「ゼロに抑えれば負けはしない」と強気な言葉も。期待と重圧を背に、マウンドで先陣を切る。