夫が定年退職して時間に余裕ができたものの、家計が毎月「3万円」の赤字…貯金を切り崩さずに生活するにはどのくらい仕事をすればよいでしょうか?

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定年退職後は時間に余裕ができて趣味などを楽しめるかもしれない一方、収入が減って家計が赤字になってしまう可能性も考えられます。例えば毎月3万円の赤字が発生する場合、貯金を切り崩さずに生活するためにアルバイトを始めることを考える方もいるでしょう。 そこで今回は、毎月3万円を稼ぐにはどのくらい仕事をすればよいかについて調べてみました。シニアのアルバイト事情についてもご紹介しますので参考にしてみてください。

毎月3万円を稼ぐにはどのくらい仕事をすればよい?

定年退職後に年金生活を始めたものの、収入が減ってしまい家計が赤字になる場合も考えられます。
例えば総務省統計局の「家計調査報告[家計収支編]2023年(令和5年)平均結果の概要」によると、65歳以上の夫婦のみの無職世帯では毎月の収支において平均で3万7916円不足しているようです。「夫が65歳で定年退職をしてから家計が3万円の赤字」といったケースは決して珍しいわけではないことが分かります。
貯金を切り崩さずに生活するために、アルバイトで毎月3万円を稼ぎたいと考えるかもしれません。令和6年度の東京都の最低賃金時間額は1163円ですから、これをベースに計算すると毎月約26時間の労働で3万円を稼げることが分かります。
例えば3時間の仕事を週3日行えば、1ヶ月(4週間)で36時間働くことになり、4万円以上の収入が得られると考えられます。4時間の仕事を週2日行った場合は1ヶ月の労働時間が32時間になり、収入は約3万7000円です。無理のない範囲で、1ヶ月3万円以上になるアルバイトを探してみるとよいでしょう。
 

シニアのアルバイト事情

定年退職後は、現役時代と比較して大幅に年収が減ってしまう傾向にあります。
株式会社マイナビが実施した「ミドルシニア/シニア層のアルバイト調査(2024年)」によると、現在アルバイト就業中の60代の平均年収額(カッコ内は理想年収)については以下の通りです。


・60代男性:129万1000円(154万8000円)
・60代女性:98万9000円(114万1000円)

シニア層(60~70代)のうち約9割が定年退職後は年収が下がっていて、年収が半分以下に減少した割合は60.4%に及ぶとのことです。
また同調査によると、現在アルバイト就業中のシニア層で「経済的にゆとりがない」と回答した人は48.2%(あまりゆとりがない:35.0%/全くゆとりがない:13.2%)で約半数に及ぶことが分かりました。
さらに「70歳を超えても働きたい」と考える60代が35.5%であることや、70代シニアの約6人に1人は「80歳を超えても働きたい」と回答していることから、経済的なゆとりのなさは多くのシニアに影響を与えていることが分かります。
シニア層の仕事探しでは、応募できる求人件数が減るなど年齢の壁を感じるケースも考えられます。定年退職後に家計が赤字になる場合は、早めに長く続けられそうな仕事を探しておくと安心です。
 

毎月3万円の赤字は毎月約26時間のアルバイトで賄える可能性が高い

定年退職後の家計が3万円の赤字になる場合は、東京都の最低賃金1163円をベースに考えると、毎月約26時間のアルバイトで賄える可能性があることが分かりました。3時間の仕事を週3日、4時間の仕事を週2日など、無理なく余裕を持ったシフトで働くことを検討するのもよいでしょう。
定年退職後は現役時代と比較して年収が減少するケースがほとんどで、今回参照した調査結果によれば、半分以下になる割合は60.4%にも及ぶとのことです。
老後に家計が赤字になることは珍しくなく、定年後も仕事を続けたいと考える高齢者は増えています。時間と体力に余裕があるうちに、家計の赤字をカバーするために長く続けられそうなアルバイトを早めに探しておくとよいでしょう。
 

出典

総務省統計局 家計調査報告[家計収支編]2023年(令和5年)平均結果の概要 II 総世帯及び単身世帯の家計収支<参考4>65歳以上の無職世帯の家計収支(二人以上の世帯・単身世帯) 図1 65歳以上の夫婦のみの無職世帯(夫婦高齢者無職世帯)の家計収支 -2023年-(18ページ)
株式会社マイナビ キャリアリサーチLabミドルシニア/シニア層のアルバイト調査(2024年)
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー