井上温大「寝ている時に野球のことを考えちゃうことがあるんですけど、寒くても汗が出てくる」熱い心の持ち主
侍ジャパンの井端弘和監督(49)が1日、「ラグザス presents 第3回WBSCプレミア12」の初戦となる13日のオーストラリア戦(バンテリンD)に、巨人・井上温大投手(23)を先発させることを明らかにした。過去の主要国際大会で初陣を担ったのは、ダルビッシュ、大谷、山本らメジャーでも活躍する豪華な顔ぶれ。追加招集で初めて代表入りを果たした伸び盛りの5年目左腕が、大会連覇に向けて、開幕投手として井端ジャパンを勢いづける。
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「人生変わったなぁ〜。やっとプロになれた感じがします」。シーズンを終え、G球場で井上が感慨深げに口を開いた。今季は25登板8勝5敗、防御率2・76。CSでも6回1安打1失点と結果を残し、来季の先発ローテ定着へ弾みをつけた。
昨季まで取材の声をかけると、始まるのは悩み相談会だった。「2軍の帝王に定着するには早すぎますよね」「来年クビになっちゃう」「不安です」。マイナスな言葉が口から出た。それが変わったのは「核」を見つけたから。内海投手コーチに「いろんなことに手を出すな。自分の柱を見つけなさい」と言われ、相手打者の研究、練習の流れなどを確立。「自分をコントロールできるようになって安定した」と自信につながった。
まだ初々しさの残るかわいらしい顔付きと雰囲気でチームでは弟的存在だが、大の負けず嫌いで熱い心の持ち主。「僕、寝ている時に野球のことを考えちゃうことがあるんですけど、寒くても汗が出てくるんですよ」。タブレットで野球の映像を見ているだけでも、マウンドに立っている自分を想像して熱くなる。「今年だけじゃなくて、これを続けていきたい」と左腕。幼い頃から夢に見ていたジャパンのユニホームを着て、マウンドに立つことを想像しながら、その日を待ちわびる。(巨人投手担当・水上 智恵)