映画「十一人の賊軍」の撮影を笑顔で振り返る尾上右近

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 歌舞伎俳優の尾上右近(32)が30日、東京・日本橋三越本店で出演映画「十一人の賊軍」(白石和彌監督、11月1日公開)のトークショーを行った。

 この日、同所で「十一人の賊軍」の劇中衣装&写真展(11月4日まで)が始まったのにちなんでのイベント。右近は砦の護衛作戦の任につく罪人の一人を演じ、存在感を発揮。役名は札付きのイカサマ師「赤丹」で、賭博の罪を犯したという設定だ。

 白石監督は右近について「いま一番、色気のある歌舞伎俳優。それと彼がある新聞のインタビューで『鶴田浩二(右近の祖父で昭和の映画スター)の作品のリメイクをやりたい』とはっきり語っていたのが印象的で会ってみたいと思った。でもリメイクを監督するなら僕しかいません」と苦笑い。

 これに対し、右近は「歌舞伎の場合でも先輩がやっていたことを自分たちがやることが大前提。使命、責任、仕事でもあるので。リメイクを口にすることが勇気のいることだという認識もなかった」と振り返る。

 挑戦したい祖父の主演作として、1960年代にシリーズ化された「次郎長三国志」を挙げた。一方で今回、白石監督との初タッグが実現して興奮ぎみ。「監督の作品が大好きで。ずっといろんなところで(出たいと)騒いでいたら、お声掛けいただき、本当にうれしかった」と感謝した。

 ひょうひょうとした味を出しながら体当たりで演じた「十一人の賊軍」に関しては「正義や悪というより、一生懸命に生きている人たちのエネルギーを浴びることのできる映画だと思います」と勧めていた。