児童手当制度はどのように変わったのでしょうか? 子育て世帯が注意すべきポイントはありますか?

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2024年6月12日(水)、「子ども・子育て支援法等の一部を改正する法律」が公布されました。すでに知っている方もいるかもしれませんが、児童手当の拡充が、今年の10月分(12月支給分)からスタートします。 児童手当の内容が変わるということは、子どもの教育費や進学資金の考え方も変わるということです。このタイミングで、変更点を簡単におさらいしましょう。

これまでの児童手当と新しい児童手当の違い

(1)高校生にも支給される

これまでの児童手当は、中学生の児童までが支給の対象でした。改正後の児童手当は高校生までが支給の対象となり、2024年の10月分(12月支給分)から子ども1人につき毎月1万円が支給されます。
※中学生:15歳到達後の最初の年度末まで、高校生:18歳到達後の最初の年度末まで
 

(2)所得制限が撤廃される

これまでの児童手当は、親(生計維持者)の所得によって、支給額に制限が設けられていました。所得制限が撤廃されたことで、対象児童全員に児童手当が支給されることになります。
 

(3)第3子以降の児童手当は3万円に増額される

これまでの児童手当は、第3子以降については、3歳から小学生までの児童を対象に、月1万5000円が支給されていました。新しい児童手当では、第3子以降については、0歳から高校生までの児童を対象に、月3万円が支給されます。
 

(4)上の子が大学を卒業するまで、第3子以降の児童手当が適用される

これは正確には「多子加算のカウント対象となる児童の年齢が、22歳到達後の最初の年度末までに拡大される」というものです。
少しややこしいですが、「例えば3人子どもがいる場合、一番上の子が高校を卒業したら、児童手当の対象となる子どもが2人に減るではないか」という批判を受けて改正されるものです。つまり、「第3子以降の児童手当については、上に大学生の子どもがいる間はお金がかかるため、子どもが3人いるとして計算する」というものです。
 

(5)児童手当の支給回数が年6回になる

これまでの児童手当は、年3回、2月・6月・10月に支給されていました。新しい児童手当は、支給回数が年6回となり、偶数月に支給されるようになります。
 

新しい児童手当で覚えておきたいポイント

新しい児童手当について、まず覚えておきたいことは、「今年の10月分(12月支給分)から適用される」ということです。筆者も「児童手当制度の改正はいつから始まるのですか?」と聞かれることがありますが、現在子育て中の世帯にとっては、関心の高いことではないでしょうか。
さらに重要なことは、「高校生まで児童手当の支給が延長される」という点です。高校の3年間は、子どもが大学などの高等教育機関に進学する前の段階です。この3年間で新たに36万円が支給されるわけですから、現行と比べると大きな金額といえます。
また、「支給回数が年2回、偶数月に支給される」という点も、覚えておくとよいかもしれません。現行の制度で慣れている子育て世帯は「年3回、2月・6月・10月に支給される」と思っている場合が多いため、新しい制度が始まると、家計管理の感覚に、少し違和感が生じるかもしれないからです。
 

まとめ

今回は、新しく始まる児童手当について、かなり簡潔にまとめました。法律用語や専門用語はなるべく避け、変更点が伝わるように整理してみました。なぜならば、児童手当は子育て世帯にとって重要な制度の一つであるからです。
「こども基本法」ができたこともあり、今後ますます、子ども・子育て施策は変化していくことが考えられます。子どもに関係する制度はたくさん用意されていますが、新たな制度も含めて知っておくと、人生に役立つのではないでしょうか。
 

出典

こども家庭庁 児童手当制度のご案内
執筆者:重定賢治
ファイナンシャル・プランナー(CFP)