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「歳をとった親が言うことを聞いてくれない」。誰もが一度はこんな経験をしているのではないでしょうか。「親がいつまでも自分のことを若いと思っている」「病院ギライがなおらない」「お酒の量が減らない」などその悩みはさまざまです。親のことを思って言ったのにもかかわらず、いつも喧嘩になってしまうのは、実は伝え方に問題があります。そんな問題を解決すべく、『歳をとった親とうまく話せる言いかえノート』が発刊されました。本記事では書籍の一部を抜粋してお届けします。

老いた親がなにかと家に来たがる

「今からごはんをつくりに行ってあげるからね」。善意100%で訪問しようとする親のひと言ですから、なかなか断りづらい申し出かと思います。この言葉の裏側には「子どもや孫の顔が見たい」「子どもと話したい」などの気持ちが隠れています。

 このときに「部屋が片づいていないから、むずかしいかも」といった曖昧な返事は避けてください。曖昧に返してしまうと、「じゃあ、部屋の片づけの手伝いにいくね」などと言いかえられる可能性が高いです。

 親からこのような連絡がきたときは、はっきり、あなたの意思を伝えてください。

 たとえば「気持ちはうれしいけど、7月に会う機会をつくれるから少しだけ待っていて」といった伝え方がいいです。この返答のポイントは「今日は会えない」という事実を伝えつつ「妥協案」を示している点です。

「会えない」と言われると、親は「じゃあ、いつになったら会えるのよ。私、避けられている?」と、不安や怒りの感情を抱いてしまいます。

 そこで「7月なら会える」と伝えると「その日まで待てばいいんだな」と納得できます。急な訪問を避けたいときは、具体的に「今は会えないという事実+妥協案の提示」をセットで伝えてみてください。