欧米とイスラエルのAI・クラウド企業資金調達額、今年は792億ドルに
Supantha Mukherjee
[ストックホルム 16日 ロイター] - 欧米とイスラエルで人工知能(AI)やクラウド分野の企業による資金調達額は昨年まで3年連続で減少していたが、今年は増加基調となっており年末までに792億ドルに達する――。ベンチャーキャピタル企業アクセルが16日公表したリポートでこうした見通しを示した。
昨年実績の625億ドルから27%増加する。今年全体で見込まれる調達額のおよそ4割は生成AI関連企業が占めることになる。
アクセルのパートナー、フィリッペ・ボテッリ氏はインタビューで「目下AIについて目にされる構造変化は、過去のブロードバンド通信やモバイル、クラウドで見られた変化よりも大きい」と述べた。
昨年と今年これまでに生成AI企業向けには560億ドルが投資されており、このうち約80%は米国企業、残りの20%が欧州とイスラエルの企業に振り向けられた。AI企業の調達総額370億ドルの3分の2は、基盤モデル構築を手がける企業が確保したという。
マイクロソフトが出資するオープンAIは今月66億ドルを調達。実業家イーロン・マスク氏が率いるxAIは5月に60億ドルを集め、アンスロピックはアマゾン・ドット・コムから40億ドルの出資を受けた。
米国で資金調達を主導したのはオープンAIやアンスロピック、xAIだが、欧州ではミストラル、アレフ・アルファ、DeepL(ディープエル)などの動きが最も活発だった。
ボテッリ氏によると、今年の未公開生成AI企業への投資額は米国がおよそ250億ドルで、欧州は64億ドル。ただ欧州では昨年の24億ドルから投資額が急増した。