後にゴールした方が勝ちのレース。即座に終わらせた賢者の一言とは?【論理クイズ】

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自分の論理的思考力に自信はありますか?

「論理クイズ」「論理パズル」とも呼ばれる論理的思考問題は今、Google、Apple、Microsoftといった世界的有名企業で入社試験として出題され、「優秀な人材」を測る尺度として活用されているほど重要な指標です。

そんな論理的思考問題の傑作を世界中から収集し、解説した書籍『頭のいい人だけが解ける論理的思考問題』(ダイヤモンド社)では、自分のレベルを測りながら「地頭力」を磨くことができます。

本書から抜粋して、論理的思考を測る問題を出題します。思考の柔軟さが求められる、完全に発想力だけの問題です。ぜひ試してみてください!

逆転の発想をする力はあるか?

▼問題

馬に乗っている2人に、王様がこう言った。

「2人で競争をして、勝った馬の主に宝を与えよう。ただし、後にゴールした方を勝ちとする」

そこで2人は、相手より先にゴールしないよう、のろのろとレースをしていた。このままでは、いつまでも勝負がつかない。だが、通りかかった賢者が「あること」を提案した結果、2人はものすごい速度でゴールへ向かっていった。

賢者は何と言ったのだろうか?

ふつうに「速い方を勝ちとする」なら、話が早かったのですが……。でも、そうは言っていられません。

これはかなり古くからある有名問題をアレンジしたものです。完全に発想力だけの問題で、思考の柔軟さが求められます。

「勝利の条件」は何か?

勝利条件は、「自分が相手より後にゴールすること」のように見えます。だから2人は、のろのろと時間をかけて走っているのだと。ですが、王様の発言をしっかり見てみましょう。

“勝った馬の主の方に宝を与える”

「勝った人」ではなく、「勝った馬」と言っているのがポイントです。つまり勝利条件は「自分の馬が後でゴールすること」です。これは言いかえると……

「相手の馬が先にゴールすれば勝てる」ということです。

この勝利条件に目を向ければ、あとは簡単です。

つまり、お互いの馬を入れ替えてレースをすれば、その馬で先にゴールした方が勝ちになります。要するに、ふつうのレースになります。

賢者はこの方法を提案したため、2人は全速力でゴールに向かったわけです。

◇正解

「お互いの馬を入れ替えてみて」

考え方のまとめ

「必須の条件は何なのか?」を明らかにすることで、「馬を入れ替える」という逆転の発想ができました。「遅く着いた方が勝ち」というゴールだけにとらわれていたら解決策は導けなかったでしょう。

このように、解決策に辿り着くのが難しく感じたときは、解決の条件を別の角度から眺めてみると、本当に実現しなくてはいけないことがわかります。この「外しちゃいけないポイント」が明確になると、それ以外の部分は変えていいんだと、思考の自由度が格段に上がるのです。

よくクリエイティブの世界で「制限があるほど、発想しやすくなる」と言われるのも、このためかもしれません。何か新しい発想をする際は、まずは「外しちゃいけないポイント」を考えてみるようにしましょう。

●point

「変えてはいけない部分」を明確にすることで、それ以外の点において自由な発想ができるようになる

ついつい直感で解いてしまう論理的思考問題。論理的に考えることはできましたか?『頭のいい人だけが解ける論理的思考問題』(ダイヤモンド社)は古典的名作からSNSで度々バズる話題作まで、思考を高める67問がわかりやすい解説とともに紹介されています。

読んで理解するだけでも賢くなる本書。ぜひ身近な人とトライしてみてください。

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