目黒蓮

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鈍感ぶりにイライラ

「重い」「暗い」「じれったい」―。視聴者からの不満が続出しているがゆえに、かえって盛り上がりを見せているフジテレビ系「海のはじまり」(月曜午後9時)。Snow Manの目黒蓮がどこまでも煮え切らない会社員・月岡夏役で主演している。7年前に別れた元恋人・南雲水季(古川琴音)の葬儀で、血のつながっている娘・海(泉谷星奈)の存在を知った夏は海との同居を始めた。23日に最終回を迎えるが、一体どのような結末となるのか。(※以下、ネタバレを含みます)

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 連続ドラマをウォッチングしている放送ライターがこう解説する。

目黒蓮

「目黒演じる夏は、初回から声が小さくハッキリしない性格の青年。水季が密かに出産し、その後、病死したことや恋人の弥生(有村架純)に中絶過去があるなど暗い、重い展開が続いています。16日に放送された第11話では、海を引き取った夏が、東京・経堂のアパートで2人暮らしを始めます。しかし、いつになくしっかりとした口調で『ママいないけど、パパがいる』と大失言をして、海を傷つけてしまいます。夏の鈍感ぶりにイライラしてしまう視聴者のうっ憤はたまる一方です」

 第11話では、夏への気遣いを続けてきた幼い海がついにブチ切れる場面もあった。

「みんながさみしいの、海のせい?」「海、最初からいなければよかった?」から始まり、「ママもさみしそうだった」「ママいたのに、なんで一緒にいてくれなかったの?」「何でママいたとき、パパになってくれなかったの?」「何でママいないっていうの?」「海、ママとずっと一緒にいたもん」「いなかったの、夏くんじゃん!」と一気にたたみかけた。

 夏に対する周囲の反応は厳しくなる一方で、ネット上では「フルボッコ」の声まで上がっている。

「夏のアパートから家出した海は、かつて母親の水季が働いていた小田原図書館、そして祖父母の翔平(利重剛)と朱音(大竹しのぶ)が暮らす一軒家へと戻ってきます。それは、その場所にかつて水季がいたから。海にとって水季は“いない”のではなく、まだそこに“いる”存在なのです。そのことを夏は分かっておらず何かと『2人で頑張る』と水季を外してしまいます。

 水季の同僚だった津野(池松壮亮)からは『今こそ前みたいに水季、水季ってうるさくていいんですよ』とたしなめられてしまいます。海の気持ちを分かっているのは、空回りしている夏より津野の方だということが如実に分かるシーンでした。そんな夏と弥生が別れたのは自分がいるせいだ、という罪悪感を海がどう払しょくしていくのか。最終回の展開が見ものです」(前出の放送ライター)

「西園寺さん―」と共通点

「海のはじまり」は夏の両親の離婚と再婚、海の祖父母と夏との関係など家族の在り方が大きな柱だが、先日最終回を迎えたTBS系「西園寺さんは家事をしない」(火曜午後10時)のテーマや人物相関図と共通していると話題になっている。

「西園寺さん―」は徹底して家事をしない主人公・西園寺さん(松本若菜)と、年下シングルファーザー・楠見(松村北斗)、その娘・ルカ(倉田瑛茉)による偽家族生活を通して、家族の幸せを考えるハートフルラブコメディー。主人公が生真面目なシングルファーザー、幼い娘は死んだ母親を思い続けている、交際相手は年上女性、娘が家出する、などの設定が「海のはじまり」と酷似しているのだ。

「西園寺さん―」の最終回では、西園寺さんと楠見の急接近によって疎外感を抱いたルカの「むー(もやもや)」とした気持ちを払いのけるため、西園寺さんは偽側室、偽大家族特番、偽修学旅行、偽リゾートバイトなどを実行に移すが、ルカの「むー」はなかなか抜けない。そんな時、庭でバーベキューをしている西園寺さんと楠見の弾ける笑顔の隣に、亡き母の姿を見つけるルカ。西園寺さんと楠見、2人の幸せそうな姿こそが亡き母の存在をしっかりと感じる瞬間だったというわけだ。

 フジテレビ関係者がこう予想する。

「目黒はSnow Man、同じく松村はSixTONESのメンバーでいずれも旧ジャニーズ事務所の所属。今はともにSTARTO ENTERTAINMENT所属です。最終回の結末まで同じというわけではないでしょうが、設定がよく似ているため『西園寺さん―』のように『海のはじまり』も娘の海が幸せを感じる瞬間を描いてエンディングとなるのではないでしょうか。

 最終回予告では弥生が『夏くんのこと好きだった』『頑張って忘れようとしたらもっとさみしくなった』と語るシーンが登場します。これまで『月岡君』と呼んでいた弥生が『夏君』と言っていることから、水季の手紙を代読しているのではないか、との見方もありますが、夏と弥生の復縁を望む声は意外に多いです。そうなれば、海が抱える罪悪感は消えますし、多様な家族像にもリーチできます。焦点は西園寺さんがそうだったように、弥生が夏や海の心の中にある水季の存在を認めて、丸ごと受け入れる姿勢を見せるかどうか、この点にかかっています」

 前例がないほど重くて暗い月9ドラマ。最終回で視聴者のうっ憤を晴らせるのか。

デイリー新潮編集部