22日開幕の「未来サミット」で各国首脳らが集結する米ニューヨークの国連本部(19日)=金子靖志撮影

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 【ニューヨーク=金子靖志】米ニューヨークの国連本部で22日、各国首脳らが地球規模の課題を話し合う国連の「未来サミット」が開幕した。

 人工知能(AI)の国際的なガバナンス(統治)強化に向けた取り組みや、機能不全が指摘される安全保障理事会の改革の必要性などをうたった文書を議場の総意として無投票で採択した。

 文書には、AIに関して、国連内にAIのリスクや利活用などを分析、提言するAI専門家の「国際科学パネル」の設置や途上国への技術支援が盛り込まれた。

 安保理改革では、米露英仏中の常任理事国5か国と非常任理事国10か国で構成する理事国枠の拡大や、常任理事国だけに認められている「拒否権」の使用を巡る議論の必要性などを訴えている。国連はこれまで安保理の「早期の改革が必要」との表現にとどめてきたが、文書は「緊急の改革が必要」と一歩踏み込んだ。

 採択にあたり、ロシアが「議論が尽くされていない」などとして修正案を提案したが、支持は北朝鮮など7か国にとどまり、修正案の採決には至らなかった。サミットは23日までの2日間。岸田首相ら計130か国以上の首脳が参加する予定だ。